中国とロシア、戦略協調をより高い質へ 戦略安全保障協議を開催
中国とロシア、戦略協調を「より高い質」へ 戦略安全保障協議を開催
中国とロシアが戦略安全保障協議の第20回会合を開き、両国首脳がこれまでに合意した戦略安全保障に関する重要なコンセンサスを「全面的に実行」し、二国間の戦略協調をより高い質へと高めていく方針を確認しました。国際秩序の多極化が進むなか、アジアと欧州にまたがる二つの大国の動きとして注目されます。
火曜日の協議で何が合意されたのか
合意が発表されたのは火曜日に行われた会談です。中国側からは、中国共産党中央政治局委員で中央外事工作委員会弁公室主任の王毅(おう・き)氏が出席し、ロシア側からはロシア連邦安全保障会議書記のセルゲイ・ショイグ氏が参加しました。両者は第20回中国・ロシア戦略安全保障協議を共同議長として主宰しました。
協議では、両国の戦略的安全保障上の利益に関わる主要な課題について、包括的かつ踏み込んだ意思疎通が行われ、新たなコンセンサスが形成されるとともに、戦略的な相互信頼が一段と強化されたとされています。
- 首脳間で確認された戦略安全保障に関する重要なコンセンサスを全面的に実行する
- 中ロの戦略協調を「より高い質」へと引き上げる
- 国際安全保障や戦略的安定に関する大きな課題についても継続的に意見交換を行う
王毅氏「今年の首脳会談2回が道筋を示した」
王毅氏は、今年、中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、モスクワと北京でそれぞれ1回ずつ、計2回会談したことに言及しました。複雑で変化の激しい国際環境のなかで、こうした首脳同士の対話が二国間関係の「安定した発展」に向けた方向性を示したと評価しました。
また王毅氏は、来年が中国・ロシアの戦略的協力パートナーシップ樹立30周年と、「中ロ善隣友好協力条約」署名25周年という節目の年にあたると指摘しました。そのうえで、両国が次のような課題に取り組む必要があると強調しました。
- 戦略的相互信頼をいっそう強固なものにする
- 善隣友好と友好関係を深める
- 互恵的な協力を拡大し、それぞれの経済発展と「民族の復興」に役立てる
- 新たに生じる脅威や課題に共同で対応する
- 世界の公平・正義・平和・安定をよりよく守る
20回目を迎えた戦略安全保障協議メカニズム
王毅氏は、中国・ロシア戦略安全保障協議の枠組みそのものについても、「国際安全保障や戦略的安定に関わる重大な問題について、両国が踏み込んだ意思疎通を行うための重要なチャネル」であり、「双方の核心的利益を守るために戦略的協調を行う重要なプラットフォーム」だと位置づけました。
この協議メカニズムは、設立から20年にわたり機能してきたとされます。その間、
- 首脳間の重要なコンセンサスを具体化する役割を果たしてきた
- 両国の戦略的な意思決定を支える場として活用されてきた
- 政治的な相互信頼を高めることに寄与してきた
と評価されました。王毅氏は、現在の国際情勢のもとで、この枠組みの価値と意義はいっそう際立っていると述べ、今後も最大限活用しながら戦略的な意思疎通と協調を強化し、外部からのさまざまな挑戦に共同で対応していく必要性を強調しました。
ショイグ氏「前例のない高水準」 ロシア側の狙い
ロシア側のショイグ氏は、国際的な地政学的な構図が複雑さを増し、世界的な安全保障上の課題が拡大している現状を指摘しました。そのうえで、ロシアと中国が戦略的な歩調を合わせる必要性は一段と高まっているとの認識を示しました。
ショイグ氏によると、ロシアと中国の戦略協調は「前例のない高水準」に達しており、これは両国の国益に合致するとともに、地域および世界の平和に資するものだとしています。さらにロシアは、
- 「一つの中国」の原則を揺るぎなく支持する
- 台湾問題、西蔵(Xizang)、新疆ウイグル自治区、香港に関する中国の立場を強く支持する
- 両国首脳のコンセンサスを共に実行し、二国間協力を一段と強化する
- より公正で合理的な多極的世界の構築を中国と共に推進する
との姿勢を示しました。
なぜこの中ロ戦略協調が注目されるのか
今回の戦略安全保障協議は、単なる二国間の交流にとどまらず、国際秩序のあり方をめぐる大きな流れの一部として位置づけられます。中国とロシアが「多極的世界」や「公平・正義」をキーワードに掲げることで、国際社会に対しどのようなメッセージを発しているのかを読み解くことが重要になっています。
- 大国間の戦略協調は、安全保障だけでなくエネルギーや経済、技術など幅広い分野に影響しうる
- 中ロが国際機関や地域協力の場で取る立場は、他の国や地域の対応にも波及しやすい
- アジア太平洋地域の安全保障環境を考えるうえでも、中ロ関係の方向性は重要な判断材料となる
一方で、こうした動きは、ほかの国々にとっても自国の外交や安全保障政策を見直すきっかけとなりえます。各国がどのような距離感や関係性を選択していくのかも、今後の国際ニュースを読み解くうえでのポイントになりそうです。
これからの焦点
来年は、中ロ関係にとって節目の年と位置づけられています。今回の協議は、その前段階として、両国がどのような方向性で関係を発展させていくのかを示すシグナルと見ることができます。今後の注目点として、次のような論点が挙げられます。
- 節目の年に予定される首脳外交や共同声明の内容
- 戦略安全保障協議メカニズムが、サイバー、宇宙、エネルギーなど具体的な分野でどこまで連携を進めるか
- 多極的世界の構築というビジョンに対し、各国がどのような対応や評価を示すのか
中ロ両国が掲げる「戦略協調の質の向上」が、今後どのような形で具体化していくのか。2025年以降の国際秩序や安全保障環境を考えるうえで、その行方を冷静に注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
China, Russia to advance strategic coordination toward higher quality
cgtn.com








