香港・Wang Fuk Court火災で159人死亡 多くの現場労働者も犠牲に
香港・Tai Po地区の住宅団地Wang Fuk Courtで2025年11月26日に起きた大規模火災で、死者は159人、行方不明者は31人に上っています。現場では補修作業にあたっていた労働者も多く犠牲となり、香港の住宅安全と労働者保護のあり方が改めて問われています。
159人死亡、31人行方不明 Wang Fuk Court火災の被害状況
香港警察は水曜日の記者会見で、Tai Po地区のWang Fuk Courtで発生した火災について最新の被害状況を明らかにしました。11月26日の出火から時間がたつなかで、犠牲者の規模が改めて浮き彫りになっています。
- 死者:159人(香港警察が水曜日午後2時時点で公表)
- 行方不明者:31人
- 犠牲者の中に多くの現場労働者や請負業者が含まれる
今回の火災では、建物の補修工事に携わっていた作業員たちが、住民とともに大きな被害を受けました。火災発生時に現場に居合わせた労働者が多かったことが、被害の拡大につながったとみられています。
現場労働者も多数犠牲に 火災時に何が起きていたのか
香港の日本語ニュースとしても関心が高まっているこの火災では、現場で働いていた補修作業員たちがどのような状況に置かれていたのかが重要なポイントです。
10〜13階での補修作業中に隣接棟から出火
生存した作業員の証言によると、火災当時、彼のチームはWang Fuk Court第5棟の10〜13階で補修作業を行っていました。その最中、隣接する建物で突然火災が発生し、炎や燃えた破片が作業中のエリアに降り注いだといいます。
作業員たちは、現場にあったホースを使って必死に消火を試みましたが、火の勢いは急速に強まりました。現場管理を担っていた請負業者もその場におり、状況の悪化を受けて、従業員に直ちに避難するよう指示したとされています。
しかし、炎と煙の広がりは早く、多くの作業員や住民が避難行動の途中で命を落としました。現場の請負業者本人も犠牲者の一人となりました。
労働者のリスクが集中した火災
今回の火災では、通常は安全管理を支える立場にある補修労働者たちが、自ら高いリスクにさらされました。火災発生直後に消火にあたったのも、まず現場にいた彼らでした。
こうした状況は、高層住宅での工事・保守業務に携わる労働者が、災害時にどのような安全装備や訓練、避難手順を備えているべきかという課題を改めて突きつけています。
遺族支援と補償 労働組合と香港特別行政区政府の対応
大規模な人的被害を受け、遺族や生存者への支援も香港の重要なニュースとなっています。労働組合と香港特別行政区政府は、支援と補償に向けて動き始めています。
労働組合が遺族を訪問 緊急支援金を支給
香港工会連合会(Hong Kong Federation of Trade Unions)と、Hong Kong Construction Industry Employees General Unionの代表者は、火災で亡くなった人の家族や生存者を相次いで訪問しました。
労働組合によると、香港特別行政区政府は、火災で影響を受けたすべての家族に対して、平等な扱いを行うと強調しています。また、工会連合会の労働安全関連組織は、遺族一世帯あたり2万香港ドル(約2600米ドル)の緊急救済金を支給しました。
この支援は、葬儀費用や当面の生活費を補うことを目的としたもので、突然家族を失った人々にとって、初動の負担をわずかでも軽減する役割を果たしています。
「平等な扱い」をめぐる意味
香港特別行政区政府が、すべての被害家族に対する平等な扱いを明言したことは、住民と現場労働者を区別せず、同じ災害の被害者として支援する姿勢を示すものです。
現場で命を落としたのが、住民だけでなく、多くの補修作業員や請負業者であったことを踏まえると、職種や雇用形態によらず、同等の補償と支援をどう実現するかが、今後の焦点になっていきます。
この火災が投げかける問い
今回のWang Fuk Court火災は、香港だけでなく、アジアの都市に共通する課題を映し出しているようにも見えます。日本語で国際ニュースを追う読者にとっても、他人事とは言えない論点が含まれています。
- 高層住宅と防災:高層化した住宅団地で火災が起きたとき、どこまで迅速に避難と初期消火ができるのか。
- 現場労働者の安全:補修工事や保守業務にあたる労働者に対し、どの程度の安全訓練と防護装備を用意すべきか。
- 長期的な支援:緊急の救済金だけでなく、遺族や生存者の生活再建をどう支えるのか。
香港のこの出来事は、都市のインフラを支える労働者の存在と、その安全を社会全体でどう守るかというテーマを、静かに問いかけています。
考えるニュースとして
newstomo.comの読者の多くは、通勤時間やスキマ時間にスマートフォンで国際ニュースをチェックしつつ、自分なりの視点を持ちたいと考える人たちです。今回の香港の火災は、数字としての犠牲者数だけでなく、その裏にある現場の状況や支援のあり方まで含めて考えたい出来事です。
アジアのどこで起きた火災であっても、似たようなリスクや構造的な問題は、日本を含む他の都市にも存在します。香港のケースを知ることは、自分たちの暮らしや働き方、安全対策を見直すきっかけにもなり得ます。
大きな悲しみをもたらしたWang Fuk Court火災をめぐる今後の調査と支援の動きが、再発防止や労働者の安全向上につながっていくのか、引き続き注目されます。
Reference(s):
Workers among casualties in Wang Fuk Court blaze in Hong Kong
cgtn.com








