中国の李強首相、マクロン仏大統領と会談 AIやグリーンで協力拡大へ
中国の李強首相は木曜日、北京でフランスのエマニュエル・マクロン大統領と会談し、経済・技術協力の拡大と自由貿易の擁護を改めて確認しました。世界経済の不透明感が増すなか、中国とフランスという二つの大国がどのようなメッセージを発したのかが注目されています。
北京で中国・フランス首脳が確認したこと
中国の李強首相は、フランスとの関係について「両国が緊密な戦略的コミュニケーションを維持し、協調した効果的な行動をとることは、両国の発展だけでなく、複雑で不安定な世界に安定と確実性をもたらす」と強調しました。中国とフランスはいずれも国連安全保障理事会の常任理事国であり、世界経済や安全保障で大きな影響力を持つ組み合わせです。
李首相は、伝統的な友好関係と政治的な相互信頼をさらに強め、中国・フランス包括的戦略パートナーシップを「新たな段階」に引き上げたいとの考えを示しました。
今回の会談で両首脳が特に重視したのは、次のような点です。
- 経済・貿易関係の一層の緊密化
- 航空、宇宙、民生用原子力など従来分野での協力強化
- 人工知能(AI)、グリーン開発、シルバー経済といった新分野での協力加速
- 中国企業の対仏投資を後押しし、公平で差別のないビジネス環境をフランス側に求めること
- 保護主義や一方主義が強まるなかで、対話を通じて相違を管理し、双方の正当な関心に配慮すること
AI・グリーン・シルバー経済――協力の新しいフロンティア
中国とフランスは長年、航空機や宇宙開発、民生用原子力などで緊密な協力関係を築いてきましたが、今回の会談では、それに加えて新たな成長分野が前面に出ました。
李首相は、両国の経済には相互補完性が高く、利益が一致する分野も多いと指摘し、開放拡大と発展戦略の「連結」を通じて、より大きな発展シナジーを生み出したいと述べました。具体的には、次のような分野が挙げられています。
- 人工知能(AI):産業や社会サービスへの応用を進め、技術革新で協力を深める分野として位置づけられています。
- グリーン開発:再生可能エネルギーや省エネ技術など、環境負荷を減らしながら成長を図る取り組みでの連携が想定されています。
- シルバー経済:高齢化を背景に、高齢者向けヘルスケア、介護、金融・住宅サービスなど、新たな需要が見込まれる市場での協力を指します。
マクロン大統領は、中国の近年の顕著な経済・社会発展と、さまざまな分野での急速な技術革新を評価し、貿易、農業、宇宙、航空、民生用原子力、再生可能エネルギーなどで協力をさらに深めたいと述べました。また、両国企業が第三国市場で共同プロジェクトを進める可能性にも言及しています。
EUとの関係と自由貿易へのメッセージ
李首相は、世界で一方主義や保護主義が台頭し、経済・貿易摩擦が増えるなか、タイムリーな意思疎通や理解の深化、共通点の拡大がこれまで以上に重要だと指摘しました。
中国側は、フランスが欧州連合(EU)に対して中国・EUパートナーシップの維持を働きかけ、既に合意した内容を着実に実行し、協力を重視しつつ相違を適切に管理するよう期待を示しました。李首相は、自由貿易と経済のグローバル化を共に守る姿勢も打ち出しています。
マクロン大統領も、自由貿易と多国間の貿易体制を共に守り、グローバル・ガバナンス(世界のルールや制度)の改革と改善を進めたいとの考えを示しました。中国とフランスが国際ルールづくりで協調するかどうかは、今後の世界経済や国際機関の議論にも影響を与える可能性があります。
なぜこの中国・フランス会談が重要なのか
中国とフランスは、ともに大きな市場と技術力を持つ国であり、気候変動やエネルギー転換、デジタル化といった地球規模の課題で影響力を持つ存在です。今回のような会談で協力の方向性が示されることは、他の国や企業にとっても、中長期的なビジネス環境やルールづくりを考えるうえで重要なシグナルになります。
特に、AIやグリーン開発、シルバー経済といった分野は、日本を含む多くの国が注力しているテーマです。中国・フランス間の協力が進めば、技術標準や市場のトレンドが形づくられ、日本企業やアジアのプレーヤーにも影響が及ぶ可能性があります。
世界経済の不確実性が高まるなかで、主要国どうしがどのように「競争」と「協力」を組み合わせていくのか。今回の中国・フランス会談は、その一つのモデルケースとして、今後も注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
Chinese Premier Li Qiang meets French President Emmanuel Macron
cgtn.com







