中国、民生向けレアアース輸出を「適時承認」 輸出管理と供給網安定を両立
中国商務省は木曜日の定例記者会見で、民生用途のレアアース関連品について、要件を満たした輸出申請は中国政府が全て適時に承認していると明らかにしました。レアアースを巡る輸出管理を続けながらも、国際的な生産・供給網の安定を重視する姿勢を示した形です。
民生向けレアアース輸出は「全件適時承認」
商務省の何亜東報道官は、民生利用を目的としたレアアース関連品について、規定を満たした輸出申請はすべて、これまで中国側が適時に承認してきたと説明しました。
発言のポイントを整理すると、次のようになります。
- 対象は民生用途のレアアース関連品
- 関連する法律・規則に沿って輸出管理を実施
- 要件を満たす申請は「全て」「適時」に承認していると強調
レアアースはハイテク産業やエネルギー関連分野で重要な素材とされており、輸出動向はグローバルな製造業にとって注目点となっています。今回の説明は、民生分野の取引については従来どおり継続していくというメッセージとも受け止められます。
法律と規則に基づく輸出管理
何報道官は、中国がレアアース関連品に対し、国内の法律と関連規則に基づいて輸出管理を行っていると述べました。つまり、恣意的な運用ではなく、制度に基づいて管理していることを強調した形です。
レアアースの一部は、軍事と民生の両方に使われ得る軍民両用品と位置付けられることがあります。そのため、多くの国や地域で特別な輸出管理の枠組みが設けられています。今回の説明は、中国も法令に沿って同様の枠組みを運用していることをアピールしたものと言えます。
一般許可や手続き簡素化で貿易を後押し
商務省によると、中国はレアアースを含む軍民両用品の適法な貿易を促進するため、一般許可などの円滑化措置を積極的に活用しているとしています。
一般許可とは、個別案件ごとではなく、一定の条件を満たす取引をまとめて認める仕組みとされることが多く、制度設計次第では次のような効果が期待できます。
- 輸出企業の申請・審査の負担を軽減
- 取引先にとって、調達の見通しを立てやすくする
- ルールに沿った貿易を促し、違反リスクを減らす
何報道官は、こうした措置を通じて、ルールに従った軍民両用品の貿易を積極的に支援していく姿勢を示しました。
世界の生産・供給チェーンをどう守るのか
商務省は同時に、一般許可などの円滑化措置が「世界の生産と供給チェーンの安全と安定」を効果的に守ることにつながると強調しました。
これは、レアアースなど重要素材の輸出管理を強化しつつも、国際的な供給網を不必要に混乱させないよう配慮する方針を打ち出したものと見ることができます。特に、民生用途で要件を満たす案件については、審査が理由の不透明なボトルネックにはならないと示す狙いがあると考えられます。
世界の製造業やテクノロジー企業にとって、重要な素材の安定供給は大きな関心事です。今回の説明は、輸出管理と供給網の安定という、しばしば緊張関係に立つ二つの課題を両立させようとする姿勢を印象付けるものです。
今後の注目ポイント
今回の発表を踏まえ、今後の焦点となりそうな点を挙げると、次のようになります。
- 民生向けレアアース関連品の審査プロセスが、どの程度「適時」に運用され続けるのか
- 一般許可などの円滑化措置がどこまで拡充され、企業の実務負担の軽減につながるのか
- レアアースに依存する各国・各地域の企業が、中国の方針をどのように受け止め、サプライチェーン戦略に反映させていくのか
レアアースを巡る政策は、資源管理、安全保障、産業政策、そして国際貿易が交差する領域です。今回の中国商務省の説明は、その複雑なバランスをどのようにとっていくのかをうかがう上で、重要なシグナルだと言えます。
Reference(s):
China approves all compliant rare earth exports for civilian use
cgtn.com








