国際ニュース:中国とフランスが協力拡大へ 習主席とマクロン氏が会談
中国の習近平国家主席は北京でフランスのエマニュエル・マクロン大統領と会談し、航空や宇宙からグリーン経済、人工知能まで、多分野で中国・フランス協力を拡大する方針を呼びかけました。揺らぐ国際秩序の中で、多極化と多国間主義をどのように進めるかが大きなテーマとなっています。
北京での首脳会談 焦点は「協力拡大」と「多極化」
習主席は、訪中したマクロン大統領との会談で、中国とフランスは共に「独立性と先見性、責任感を持つ大国」であり、世界の多極化を進め、人類の連帯と協力を促す建設的な力だと位置づけました。
現在、習主席は「百年に一度の大きな変化」が加速する中で、人類は再び岐路に立っていると指摘。そのうえで、中国とフランスは大国としての責任を示し、多国間主義を堅持し、「歴史の正しい側」に立つべきだと述べました。
習主席はまた、中国とフランスが両国民の根本的利益と国際社会の長期的利益を出発点とし、対等な対話と開かれた協力を続けることで、「中仏包括的戦略パートナーシップ」を今後60年間にわたって安定的に発展させ、その戦略的価値を十分に発揮させたいと強調しました。
さらに、外部環境がどう変化しても、中国とフランスは大国として戦略的な見通しと独立性を保ち、互いの核心的利益や重大な関心事で理解と支持を示し合い、二国間関係の政治的基盤を守るべきだと呼びかけました。
第15次5カ年計画を「世界への機会リスト」に
習主席は、中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)で、第15次5カ年計画の策定に向けた提言が審議・採択され、中国の向こう5年間の発展に関する青写真が示されたと説明しました。
この計画は中国国内の発展方針を定めるだけでなく、「世界に対しても機会のリストを提供するものだ」と述べ、中国とフランスがこうした機会を共に捉え、協力の範囲を広げるべきだとしました。
航空・宇宙・原子力からグリーン経済・AIまで
経済協力について、習主席は、中国とフランスが従来からの主要分野である航空、宇宙、原子力といった領域での協力を引き続き強化するとともに、新たな成長分野にも踏み出す必要があると指摘しました。
具体的には、次のような分野での協力拡大が挙げられています。
- グリーン経済(環境負荷の少ない産業・エネルギー転換など)
- デジタル経済(デジタル技術やデータを基盤とする新しい産業)
- バイオ医薬品(医療・医薬品分野での先端技術)
- 人工知能(AI)
- 新エネルギー(再生可能エネルギーなど)
習主席は、中国が質の高いフランス産品の輸入を拡大する用意があると述べ、より多くのフランス企業による中国での事業展開を歓迎する姿勢を示しました。また、フランス側には、中国企業に対して公正なビジネス環境と安定した条件を提供してほしいと求めました。
人と人の交流で「自然な親近感」を深める
習主席は、中国とフランスの人々の間には「自然な親近感」があると述べ、この強みをさらに生かすべきだとしました。そのうえで、文化、教育、科学技術、地方レベルでの交流・協力を一層深めるよう提案しました。
経済や安全保障だけでなく、人と人のつながりを重視することで、両国関係をより安定したものにしたいという考えがにじみます。
国連中心の国際秩序と「真の多国間主義」を強調
安全保障と国際秩序について、習主席は「世界はなお安定から程遠く、多くの地域で複雑で解決の難しいホットスポット問題が噴出している」と現状を分析しました。
そのうえで、中国とフランスは共に国連の創設メンバーであり、国連安全保障理事会の常任理事国でもあることから、「真の多国間主義」を実践し、国連を中心とする国際システムと、国際法に基づく国際秩序を守る責任があると強調しました。
両国は、紛争の政治的解決や世界の平和と安定の維持に向けて意思疎通と調整を強めるとともに、グローバル・ガバナンス(地球規模の課題を管理・調整する枠組み)の改革と改善を共に進めるべきだと述べました。
「南北問題」と国際金融の不均衡への懸念
習主席は、現在の世界経済には、南北間の発展格差(グローバル・ノースとグローバル・サウスの不均衡)や、国際金融機関における途上国の代表性の不足など、さまざまな不均衡が存在すると指摘しました。
こうした課題に対応するため、各国は責任を分かち合い、行動を調整し、グローバルな経済ガバナンスをより公正で、より公平で、バランスのとれたものにしていく必要があると訴えました。
欧州との関係では「デカップリングではなく協力」を訴え
習主席は、中国と欧州の交流と協力は過去50年にわたり互いに利益をもたらし、それぞれの発展に貢献してきたと振り返りました。
そのうえで、各国の産業とサプライチェーン(供給網)は深く結びついており、「開放と協力は発展の機会をもたらす一方、デカップリング(切り離し)やサプライチェーンの分断は孤立につながる」と述べました。保護主義では、世界的な産業再編がもたらす課題は解決できず、むしろ国際的な貿易環境を悪化させるだけだと警鐘を鳴らしています。
習主席は、中国と欧州がパートナーシップにこだわり、開かれた姿勢で協力を進め、独立性と互恵協力を軸とした「正しい軌道」に沿って中国・欧州関係を発展させるべきだと呼びかけました。
今回のメッセージから見える問い
今回の北京での首脳会談では、中国とフランスの二国間関係だけでなく、多極化、多国間主義、グローバル・ガバナンス改革といった、現在の国際秩序をめぐる大きなテーマが浮かび上がりました。
サプライチェーンの分断や保護主義をめぐる議論が続く中で、中国とフランス、そして中国と欧州がどのように協力の可能性を広げていくのかは、世界経済の行方を考えるうえでも重要なポイントです。今後、フランスや欧州がどのような具体的な対応をとるのか、引き続き注目されます。
Reference(s):
Xi calls on China, France to expand cooperation in multiple areas
cgtn.com







