中国が米国に台湾問題の敏感さの理解を要求 米メディアの対応も批判
中国外交部が米国に対し、台湾問題の「高度に敏感な性質」を改めて強調し、米国指導者が示してきた約束を完全に履行するよう求めました。背景には、台湾リーダー頼清徳氏の米イベント出演と、その発言への強い反発があります。
中国「台湾問題の敏感さを明確に認識すべきだ」
中国外交部の林剣報道官は金曜日に行われた定例記者会見で、米国に対し、台湾問題の「高度に敏感な性質」を明確に理解し、米国指導者が表明してきたコミットメント(約束)を全面的に実行するよう求めました。
林報道官は、台湾問題が中国側にとって核心的な利益であり、米中関係の最も重要で敏感な問題だとする立場を改めて示した形です。
発端は頼清徳氏の「DealBook Summit」参加
今回の発言のきっかけとなったのは、台湾リーダー頼清徳氏が、米紙ニューヨーク・タイムズ主催のイベント「DealBook Summit」に事前収録のビデオメッセージで参加し、台湾海峡情勢について発言したことです。
報道によれば、林報道官はこの発言を「台湾海峡の状況に関する無責任な言動」だと批判しています。
米メディアの「発言の場提供」にも懸念
林報道官は、米国の一部メディアが台湾当局のトップに発言の場を提供し、「台湾独立」を推進する分裂的な言論を拡散させていると指摘しました。
こうした行為は、「一つの中国」原則と、これまでに発表された3つの中米共同コミュニケに重大に反し、「台湾独立」勢力に誤ったシグナルを送るものだと強く批判しています。
中国側が重視する「一つの中国」原則と共同コミュニケ
- 一つの中国原則:中国側は、世界に中国は一つしかなく、台湾は中国の一部であるという立場を一貫して強調しています。
- 3つの中米共同コミュニケ:中国側は、これらの文書を中米関係の政治的基礎と位置づけ、その履行を米国に繰り返し求めてきました。
林報道官の今回の発言も、この一連の立場を改めて確認する内容となっています。
頼清徳氏を「平和の破壊者」「トラブルメーカー」と非難
林報道官は、頼清徳氏の最近の発言や行動について、「『台湾独立』を唱える分裂主義者としての本質を改めて露呈させた」と述べました。
さらに、頼氏が米国に依存して独立を追求しようとしていると指摘し、そのことが「平和の破壊者」かつ「トラブルメーカー」としての性格を示していると強く非難しました。
林報道官は、「頼清徳氏が何を言い、何をしようとも、その試みは徒労に終わり、失敗する運命にある」とも述べ、中国側の断固とした姿勢を示しています。
米中関係と台湾海峡情勢への含意
今回のやり取りは、米中関係において台湾問題がいかにセンシティブなテーマであり続けているかを改めて示しています。
- 中国側は、台湾問題を「越えてはならないレッドライン」と位置づけ、米国に対して繰り返し釘を刺しています。
- 台湾リーダーによる米国関連イベントへの参加は、そのたびに中国側の強い反応を呼び、言葉の応酬が続いています。
- 外交だけでなく、国際的なメディア空間も、台湾をめぐるメッセージ発信の重要な舞台になっていることが浮かび上がります。
一連の動きは、台湾海峡の安定が依然としてアジア太平洋地域の大きなリスク要因の一つであることを物語っています。
日本の読者が押さえておきたい視点
日本にとっても、台湾海峡情勢と米中関係の行方は、外交・安全保障だけでなく、経済やサプライチェーンにまで影響しうる重要なテーマです。
- 米国が中国側のメッセージにどう応じるのかは、今後の米中関係の「温度」を測る一つの指標になります。
- 台湾海峡での安定が揺らげば、海上交通や貿易に影響し、日本企業や日本経済にも波及する可能性があります。
- ニュースを読む際には、「一つの中国」原則や共同コミュニケなど、各国がどのような文言を使って台湾問題に言及しているかに注目すると、各プレーヤーの立場がより立体的に見えてきます。
台湾問題をめぐる発言の一つ一つが、米中関係や地域情勢にどのような意味を持つのか。今後も、各国の言葉と行動の両方を丁寧に追っていく必要がありそうです。
Reference(s):
China urges U.S. to understand sensitive nature of Taiwan question
cgtn.com








