HIIFF 2025でドイツ人作曲家が語る、中国の観客の熱気と海南島国際映画祭の魅力 video poster
中国南部・海南島のリゾート都市、三亜(Sanya)で開催された第7回海南島国際映画祭(Hainan Island International Film Festival、HIIFF 2025)で、ドイツ人作曲家・サウンドデザイナーのThies Mynther氏が、中国の観客の「集中力と好奇心、そして国際映画への関わり方」を高く評価しました。国際ニュースとしてだけでなく、アジアの映画文化のいまを考えるうえでも興味深い発言です。
初参加のHIIFF 2025で感じた「観客の力」
Thies Mynther氏は、短編作品「Ploo」で、第7回海南島国際映画祭のゴールデンココナッツ賞・最優秀短編映画部門にノミネートされています。今回が初めての三亜訪問となるなか、会場での対談に臨み、現地の映画体験について語りました。
氏が何より印象に残ったと語るのは、中国の観客の姿勢です。会場で出会った観客について、次のような点を挙げています。
- 上映中の作品に対して、最後まで途切れない高い集中力
- 作品や作り手に積極的に近づこうとする好奇心
- 海外作品を含む国際映画への強い関心と関わり方
一方通行で作品を「消費」するのではなく、観客の側から作品に関わっていく姿勢が印象的だったことがうかがえます。国際映画祭の場を通じて、中国の観客が世界のクリエイターと同じ時間と空間を共有している様子が伝わってきます。
「美しく魅力的な島」で開かれる映画祭の意味
Mynther氏が言及したのは、観客だけではありません。海南島という場所そのものが、映画祭の雰囲気と役割を形づくっていると感じたようです。
南国の海に囲まれた三亜は、「トロピカルな都市」として知られるリゾート地です。氏は、こうした美しい環境で国際映画祭が行われていることについて、「こんなに美しく魅力的な島で、このようなイベントが開かれていることには大きな意味がある」と語りました。
リゾート地という非日常の空間が、映画祭を「映画を見る場」にとどめず、文化や価値観が行き交う出会いの場へと押し上げている——そんな実感が、このコメントから読み取れます。
国際映画祭がつくる、新しい対話のかたち
今回のHIIFF 2025では、ドイツから参加したクリエイターと、中国の観客が同じ会場で作品を共有しました。「Ploo」のような短編作品がノミネートされ、観客がそれに真剣に向き合うという状況そのものが、国境を超えた対話のひとつのかたちと言えます。
特に印象的なのは、Mynther氏が「国際映画」に対する中国の観客の関わり方を高く評価している点です。単に海外作品を「珍しいもの」として眺めるのではなく、自分たちの日常とも接続しながら受け止めている姿を感じ取ったのでしょう。
映画祭は、作品の「出来栄え」を競う場であると同時に、観客のまなざしが可視化される場でもあります。観客がどう作品を見るか、その姿勢が海外のクリエイターに強く印象づけられている、という今回のエピソードは象徴的です。
日本の観客にとってのヒントはどこにあるか
日本語で国際ニュースや映画情報を追いかけている読者にとっても、このHIIFF 2025の話題は他人事ではありません。映画館での自分たちのふるまいも、作品や映画文化の一部になっているからです。
今回、Mynther氏が挙げたキーワードは、次の3つに整理できます。
- 集中して作品を受け止めること
- 分からない部分も含めて楽しむ好奇心
- 作り手との距離を縮めようとする参加意識
これらは特別なテクニックではなく、誰でも意識すれば実践できる姿勢です。SNSで作品の感想を共有したり、映画祭や上映後トークに足を運んだりする行動も、その延長線上にあります。
海南島という遠い南国の映画祭で語られた、観客への称賛の言葉。そこには、映画を愛する人ならどこに住んでいても共有できるヒントが含まれています。国際映画を「海外の話」で終わらせず、自分の生活や視点の変化と結びつけていくこと——HIIFF 2025の現場からは、そんなメッセージが静かに響いてきます。
Reference(s):
HIIFF 2025: German composer applauds Chinese filmgoers' vibrancy
cgtn.com








