HIIFF 2025で見えた中国映画の多様性 ベルギー監督が語る出会い video poster
2025年に中国海南省・三亜で行われた第7回海南島国際映画祭(HIIFF 2025)で、ベルギーの映画監督メリッサ・マベスーンさんが、中国映画と国際的なクリエイターの多様性について語りました。短編映画のプレミアとともに見えてきた「出会いの場」としての映画祭の姿を振り返ります。
HIIFF 2025と短編映画「Maturation Station」
海南島国際映画祭(Hainan Island International Film Festival、HIIFF)は、アジアと世界の映画人が集う国際映画祭です。第7回となるHIIFF 2025の会場となったのは、中国海南省のリゾート都市・三亜でした。
ベルギーの映画作家メリッサ・マベスーン(Melissa Mabesoone)さんは、自身が監督と主演を務めた短編映画「Maturation Station」を出品しました。この作品は、映画祭の中心的な賞であるゴールデンココナツ賞(Golden Coconut Awards)の最優秀短編映画賞にノミネートされています。
マベスーンさんの作品にとって、HIIFF 2025での上映は、アジアおよび中国での初めての公開の場ともなりました。アジア初上映と中国初上映が同時に実現したことで、彼女にとっても、作品にとっても大きな節目になったといえます。
「エキサイティングで目が開かれる」プレミア体験
会期中、マベスーンさんは中国の国際メディアCGTNの張萌(Zhang Meng)さんのインタビューに応じました。彼女は、HIIFF 2025での経験を「エキサイティングで、目が開かれるような体験だった」と表現しています。
自分の作品がまったく新しい観客の前に立ち上がる瞬間は、どの監督にとっても特別な時間です。とくに、言語や文化の背景が異なる観客に作品を届けるとき、どのように受け止められるのかは、期待と緊張が入り混じる場面でもあります。
マベスーンさんにとっても、HIIFF 2025でのアジアと中国でのプレミアは、まさにそのような時間でした。映画を通じて、自身の視点がどのように共有され、どのような問いを観客に投げかけられるのかを、改めて意識するきっかけになったと考えられます。
多様なクリエイターが集う三亜の映画祭
マベスーンさんが特に印象的だったと語ったのは、HIIFF 2025に集まったクリエイターの「多様性」でした。三亜の会場には、ヨーロッパ、東南アジア、中国から、さまざまなバックグラウンドを持つ映画人が集まりました。
彼女が出会ったのは、例えば次のような人々です。
- ヨーロッパ各国から参加した映画監督や俳優
- 独自の映画文化を育ててきた東南アジアのクリエイター
- 中国で活動する監督や制作陣
マベスーンさんは、こうした多様な映画人との対話を通じて、文化や映画づくりの伝統の違いを実感したといいます。映画祭の雰囲気そのものが、国や地域を越えて視点を交換するための「ラウンジ」のような役割を果たしていたことがうかがえます。
同じスクリーンに並ぶ作品であっても、その背景には、異なる歴史や社会、制作環境があります。それらが一つの会場に持ち寄られることで、映画人同士が互いの文脈を学び合い、新しいコラボレーションの芽が生まれる土壌にもなっていきます。
中国映画の多様性を海外の監督はどう見たか
今回のインタビューのテーマの一つは、「中国映画の多様性」でした。マベスーンさんは、HIIFF 2025の場を通じて、中国の映画文化が持つ幅広さを間近に感じたと振り返っています。
映画祭という場では、商業性の高い作品から、実験的な短編、静かな人間ドラマまで、さまざまなスタイルの中国映画が並びます。そのラインナップを通して、中国映画が単一のイメージに収まらないことが、海外から訪れた監督にも自然と伝わっていきます。
マベスーンさんが「目が開かれる」と感じた背景には、次のような気づきがあったと考えられます。
- 中国映画と一口にいっても、表現スタイルやテーマが非常に幅広いこと
- ヨーロッパや東南アジアの作品とも響き合う視点が多く存在すること
- 異なる文化圏の監督が対等な立場で作品を持ち寄れる映画祭の場が、相互理解を深めていること
海外の監督の目線を通じて中国映画を見ることで、私たちもまた、「中国映画とは何か」をあらためて考えるきっかけを得ることができます。
スクリーンの向こうの世界とどうつながるか
HIIFF 2025でのマベスーンさんの経験は、映画祭が単なる「上映の場」ではなく、「対話の場」でもあることを示しています。映画を通じた国際交流は、制作側だけでなく、観客である私たちにも関わるテーマです。
日常的に配信サービスや動画サイトで世界の作品に触れられる今、国際映画祭のニュースをどう自分ごととして受け止めるかも、重要な視点になりつつあります。
例えば、次のような見方が考えられます。
- 映画祭で話題になった作品や監督の名前を、日々の視聴リストに加えてみる
- 作品の出身地域や制作背景に目を向け、どのような社会や文化が映し出されているかを意識してみる
- SNSで感想を共有するときに、「どこが自分の経験と似ていて、どこが違うのか」を言葉にしてみる
マベスーンさんが三亜で経験したような、文化や視点の「出会い」は、スクリーンの前にいる私たちにも開かれています。国際映画祭の動きを追いかけることは、世界の変化や多様な価値観を、自分のペースで受け止めるための一つの方法でもあります。
HIIFF 2025で交わされた会話の断片は、これから生まれる新しい作品や国際協働につながっていくかもしれません。そのプロセスを想像しながら、次にスクリーンで出会う作品を選んでみるのも、今日からできる小さな一歩です。
Reference(s):
HIIFF 2025: Belgian director reflects on China's cinematic diversity
cgtn.com








