中国四川で約2億年前の恐竜足跡 進化の謎に迫る新発見
中国南西部・四川省で、およそ2億年前の恐竜や他の脊椎動物が残したとみられる足跡が見つかりました。初期の恐竜進化の姿に新たな光を当てる発見として、古生物学の世界で注目されています。
四川省・都江堰で見つかった「2億年前の足跡」
中国南西部・四川省の都江堰市で、岩壁に残された20個以上の足跡が確認されました。古生物学者の分析によると、これらは約2億年前の恐竜などの脊椎動物が残した痕跡だと考えられています。
足跡は、2025年11月にハイキング中の登山者によって偶然見つかり、その後、中国地質大学(北京)のXing Lida准教授が率いる研究チームが現地調査を行い、恐竜などの足跡であることを確認しました。都江堰で恐竜の足跡が報告されるのは、今回が初めてです。
どんな恐竜の足跡なのか
研究チームによると、今回確認された足跡には、肉食恐竜が残したとみられる獣脚類(じゅうきゃくるい)の足跡が、さまざまな大きさで含まれています。獣脚類とは、二本足で歩き、鋭い歯とツメを持つ肉食恐竜のグループです。
また、人の手の形に少し似た「キロテリウム型」と呼ばれる足跡も見つかりました。これは、恐竜が登場する以前から存在した初期の主竜類(アーコサウルス類)と呼ばれる爬虫類に由来すると考えられています。恐竜とその祖先グループの両方の足跡が同じ場所で見つかったことで、恐竜が勢力を広げていった初期の時代の生態系を知る手がかりになります。
少なくとも4層にわたる足跡が示す「長い時間」
Xing准教授は、現地の岩壁について「少なくとも4つの地層面に足跡が保存されていることが、この場所の価値を特に高めている」と説明しています。1枚の地層に一度だけ足跡が残ったのではなく、時間をおいて何度も恐竜などが往来した結果、複数の層にわたって足跡が刻まれたとみられます。
これは、約2億年前、この地域に恐竜たちが長い期間にわたって生息していたことを示す重要な証拠です。単発の「通り道」ではなく、生活の場や移動のルートとして繰り返し使われていた可能性が高まります。
木の化石が語る、当時の森の姿
研究チームは足跡だけでなく、その近くから化石化した木の破片も見つけました。倒れた丸太の化石に加え、立ち木がその場で埋もれて化石になったとみられる切り株も確認されています。
こうした木の化石は、当時の環境に森や林が広がっていた可能性を示します。恐竜やその祖先たちが、どのような植生の中を歩き、どんな景色の中で暮らしていたのかを復元するうえで、貴重な手がかりになります。
中国における初期恐竜進化を読み解くカギに
四川省の自貢恐竜博物館の研究者であるJiang Shan氏は、今回の新たな資料によって、中国における初期の恐竜進化の歴史をより深く理解できると述べています。
今回の足跡群は、恐竜の骨格化石とは異なり、その場でどのように動いていたかを直接物語る証拠です。複数の種類の足跡、繰り返し残された痕跡、そして周囲の森の痕跡が組み合わさることで、およそ2億年前のこの地域の生態系が、少しずつ立体的に浮かび上がりつつあります。
足元の岩から、地球の時間を想像する
日常の散歩道や登山コースで、ふとしたきっかけから大きな発見につながることがあります。今回の足跡も、2025年の今を生きる私たちと、約2億年前の生命を静かにつないでくれる存在だと言えるでしょう。
自分の足元の岩や地層にも、遠い過去の物語が眠っているかもしれない――そう考えてみると、国際ニュースとして伝えられる科学発見も、ぐっと身近に感じられてきます。
Reference(s):
Dinosaur footprints from about 200 million years ago found in China
cgtn.com








