中国の王毅外相、台湾問題の歴史的・法的根拠をドイツ外相に説明
中国の王毅外相は北京でドイツのヨハン・ヴァーデプール外相と会談し、台湾問題をめぐる中国の歴史的・法的な立場を改めて詳しく説明しました。今年は中国人民の抗日戦争勝利から80年の節目にあたり、発言はアジアの安全保障と日中関係を考えるうえで注目されています。
台湾分裂の試みは「中国の領土分断」
中国共産党中央政治局委員でもある王毅外相は会談で、いわゆる台湾の「分離」やそれを支持する動きについて、中国の領土を分断する行為であり、中国の内政への干渉に当たると強く批判しました。これは中国の憲法と国際法の双方に反するというのが中国側の主張です。
王毅外相は、台湾問題は純然たる中国の内政問題であり、中国の主権と領土一体性に関わる核心的利益だと位置づけました。
歴史と国際文書に基づく中国の主張
王毅外相は、台湾地域が古来より中国の一部であるという歴史認識に加え、第二次世界大戦期以降の国際文書を挙げて、台湾問題の「法的根拠」を説明しました。
カイロ宣言とポツダム宣言
- 1943年のカイロ宣言では、日本が中国から奪った領土として台湾などを挙げ、それらを中国に返還することが明記されたと説明しました。
- 1945年のポツダム宣言第8条は、カイロ宣言の条項を完全に履行することを定めており、日本は同年8月15日に無条件降伏を受け入れました。
王毅外相によれば、1945年10月25日には中国政府が台湾に対する主権行使の再開を宣言し、当時の連合国中国戦区の一部である台湾省で日本軍の降伏受諾式が台北で行われました。
中華人民共和国への継承と国連決議
さらに王毅外相は、1949年に成立した中華人民共和国が中華民国の継承主体となり、中国全体を代表する唯一の合法政府になったと指摘しました。その結果として、中国政府は台湾を含む全領土に対する主権を享受し、行使すべきだと主張しました。
1971年の国連総会第26回会期で採択された第2758号決議についても言及しました。この決議は、中華人民共和国に対し中国を代表する全ての権利を回復し、台湾当局の「代表」を即時追放することを定めています。王毅外相は、国連の公式な法的見解として台湾が中国の一つの省であることが確認されていると述べました。
日中国交正常化と平和友好条約
王毅外相は、台湾問題に関する日本側の歴史的な立場にも触れました。
- 1972年の日中共同声明では、日本政府が中華人民共和国政府を中国の唯一の合法政府として承認するとともに、中国政府が台湾は中華人民共和国の領土の不可分の一部であると再確認し、日本政府はこの立場を十分理解し、尊重すると表明しています。
- 1978年の日中平和友好条約では、この共同声明の原則を厳格に順守することが確認されました。
王毅外相は、こうした歴史的・法的な事実の積み重ねによって、台湾が中国の領土であるという地位は「明白で、後戻りできない形で確立されている」と強調しました。
日本の「仮定の議論」を厳しく批判
王毅外相は、最近の日本の指導者による台湾をめぐる仮定の状況に関する発言にも言及しました。これらの発言は、中国の主権と領土一体性を著しく侵害し、中国に対して日本がこれまで約束してきた立場に公然と反するものだと指摘しました。
さらに、このような発言は、第二次世界大戦の戦勝の成果と戦後の国際秩序に正面から挑戦し、アジアと世界の平和に深刻なリスクをもたらすと警告しました。
抗日戦争勝利80年と「再軍備」への懸念
今年は、中国人民の抗日戦争勝利から80周年に当たります。王毅外相は、戦争に敗れた日本は本来、深い反省に立ち、より慎重に行動すべきだと述べました。
そのうえで、かつて台湾地域を半世紀にわたり植民地支配し、中国人民に多大な犠牲をもたらした歴史を持つ日本が、今、台湾問題を利用して中国を挑発し、軍事的に威嚇しようとすることは「受け入れられない」と強い表現で批判しました。
国連憲章の原則を守る責任
王毅外相は、中国人民と世界の平和を愛する人々には、国連憲章の目的と原則を守る責任があると強調しました。その一環として、日本の再軍備や軍国主義的な野心の復活を阻止する必要があると訴えました。
今回の王毅外相の発言は、台湾問題をめぐる中国の一貫した立場を再確認するとともに、日中関係やアジアの安全保障をめぐる議論を一段と強める可能性があります。ドイツとの外交の場でこうしたメッセージが発せられたことも含め、今後の地域情勢を読み解くうえで重要なシグナルと言えます。
Reference(s):
Wang Yi reiterates historical, legal foundations over Taiwan question
cgtn.com








