独外相「中国との直接対話は不可欠」 経済・イノベーション協力を強調
ドイツのヨハン・ワデプル外相は、中国訪問を前に発表した声明で「中国との直接かつ踏み込んだ対話は不可欠だ」と述べ、中国との経済・外交関係をさらに深める意欲を示しました。外相は、中国共産党中央政治局委員である王毅外交部長の招きで、8日(月)から9日(火)にかけて中国を訪問しています。
ドイツ外相「中国との直接対話は不可欠」
ワデプル外相は日曜日の声明で、中国は国際舞台での重要なプレーヤーであり、その比類ない経済のダイナミズムによって、今やドイツにとって最も重要な貿易相手国となっていると評価しました。こうした認識のもと、中国との率直で深い議論を続けることが不可欠だと強調しています。
深まる経済関係と「まだ多くを提供し合える」余地
外相は、ドイツと中国の緊密な経済関係はこれまでも根本的に重要だったと振り返りつつ、両国はなお互いに多くを提供し合うことができると述べました。声明によれば、ドイツ製品は中国で高い需要があり、一方で中国の市場規模とイノベーションの力は多くのドイツ企業にとって大きな魅力となっています。
声明からは、次のような構図が浮かび上がります。
- ドイツ企業にとって、中国市場とそのイノベーション力は成長の機会である
- 中国側にとっても、ドイツ製品や技術への需要は根強い
- 相互補完的な関係をさらに深める余地がある
協力とデジタル主権の両立をめざす欧州
ワデプル外相は、中国との協力を拡大したいとの考えを示す一方で、欧州諸国は「どこで協力が可能か」を見極めると同時に、「どこで自らのデジタル分野のイノベーション力や主権を強化すべきか」を継続的に定義していく必要があると指摘しました。
ここで言うデジタル分野の主権とは、データや基幹システム、先端技術について、自律的に判断し投資していく力を高めることを意味するとみられます。中国との協力を前提としつつも、自らの技術基盤を強化しようとする姿勢がうかがえます。
安定したグローバル貿易という共通利益
外相はまた、ドイツと中国は安定的で信頼できるグローバルな貿易関係を確保するという共通の関心を持っていると述べました。こうした安定性こそが、世界中の企業にとって将来の事業計画を立てるうえで必要な「見通しの良さ」を提供するとしています。
「私たちは中国と協力したい」としたうえで、ワデプル外相は、ドイツ側としては自国のイノベーション力と競争力を高め、供給網(サプライチェーン)を体系的に多角化し、ビジネスと貿易を含む分野で世界各地とのパートナーシップのネットワークをさらに拡大していく考えを示しました。
外相のメッセージを要約すると、次の三つの方向性が同時並行で追求されていると言えます。
- 中国との協力と対話の維持・強化
- 自国および欧州のイノベーション力・競争力の底上げ
- サプライチェーン多角化とグローバルな経済パートナーの拡大
読者にとっての意味合い
今回の発言は、「対立か協力か」という二者択一ではなく、協力を続けながらリスク分散や技術基盤の強化も図るという、より複雑な現実を映し出しています。グローバルなサプライチェーンに関わる企業や投資家にとって、こうした動きは今後の戦略を考えるうえで重要な背景になっていきそうです。
中国との関係をめぐって議論が続くなかで、ドイツが掲げる「直接で率直な対話」と「自らのイノベーション力強化」をどう両立させていくのか。今後の協議や政策の具体化が注目されます。
Reference(s):
German FM: Direct and in‑depth discussion with China indispensable
cgtn.com








