ジュリエット・ビノシュ、中国文化に恋していると海南島で語る video poster
フランスの名優ジュリエット・ビノシュさんが、2025年に中国海南省のリゾート都市・三亜で開かれた第7回海南島国際映画祭に参加し、マスタークラスで「中国文化への愛」を語りました。映画祭の場で交わされた率直な言葉は、スクリーンを超えた文化交流の一端を静かに映し出しています。
第7回海南島国際映画祭で語られた「中国文化への愛」
ビノシュさんが登場したのは、映画祭の企画の一つであるマスタークラスです。観客との対話形式で自身の表現や経験について語る中で、彼女は中国文化に深い親しみを感じていると明かしました。
ビノシュさんは、長年にわたって映画界の第一線で活躍してきた俳優ですが、その日もっとも印象的だったのは演技論よりも、日常に溶け込んだ中国文化についての話だったといえます。「中国文化に恋している」という気持ちが、具体的なエピソードを通じて語られていきました。
パリの日常にある鍼灸と伝統中国医学
とくに会場の注目を集めたのは、ビノシュさんがパリで定期的に鍼灸(しんきゅう)治療を受けているという話でした。彼女は鍼灸を「とても効果的な治療だ」と評価し、自身のコンディションづくりに欠かせない存在になっていると説明しました。
鍼灸は、伝統中国医学に基づく治療法の一つで、細い針や温熱を用いて体のバランスを整える考え方です。ビノシュさんの発言からは、その考え方が欧州の大都市パリの生活にも自然に入り込んでいる様子がうかがえます。
詩・気功・漢方──広がる中国文化へのまなざし
ビノシュさんが好んでいるのは、鍼灸だけではありません。彼女はマスタークラスで、中国の詩や気功、伝統中国医学への強い関心も語りました。
- 中国の詩:言葉のリズムやイメージの豊かさに魅力を感じていると説明
- 気功:呼吸と動きを通じて心身のバランスを意識する点に共感
- 伝統中国医学:身体全体を一つのバランスとして見る発想に惹かれていると述べたとされています
映画の世界で国境を越えてきた俳優が、日々の生活レベルで中国文化の要素を取り入れているというエピソードは、文化交流が「特別なイベント」だけでなく、生活のリズムの中に根づいていることを示しています。
国際映画祭が育む、静かな文化交流の場
海南島国際映画祭のような国際映画祭は、作品の上映や授賞だけでなく、今回のマスタークラスのような対話の場を通じて、文化と文化が出会うきっかけをつくっています。ビノシュさんの率直な言葉は、観客にとって「映画の外側」に広がる中国文化を考える入り口になったはずです。
こうした場では、海外から訪れた映画人が中国本土(中国)の文化や日常に触れるだけでなく、その感想や気づきを現地の観客と共有します。そのやりとりは派手さこそありませんが、互いのイメージを少しずつ更新していく静かな積み重ねでもあります。
日本では、漢字や鍼灸など、中国由来の要素に日常的に触れる機会が少なくありません。だからこそ、欧州の俳優が中国の詩や気功に魅力を感じているという話は、アジアの中で循環してきた文化の広がり方を、あらためて考えさせるきっかけにもなります。
「好き」という感情がひらく対話の可能性
国や地域をまたぐニュースというと、政治や経済の話題に目が向きがちです。しかし、今回のジュリエット・ビノシュさんの言葉の中心にあったのは、「中国文化が好き」「日常生活の中で役立っている」という、ごく個人的で素朴な感情でした。
誰かがどこかの文化に親しみを抱き、その理由を具体的に語ること。それ自体が、一つの対話のきっかけになります。映画というグローバルな表現の場で活躍する俳優が、中国の詩や鍼灸、気功、伝統中国医学について語った今回のマスタークラスは、観客にとっても、自分と世界との距離感を静かに見直す時間になったのではないでしょうか。
スクリーンの中だけでなく、生活の中にある文化の往復運動。その一場面として、海南島でのビノシュさんの発言は、今後も折に触れて語り継がれていきそうです。
Reference(s):
cgtn.com








