中国の臓器提供、若者の登録が拡大 2024年に死後提供者6,744人
中国で、亡くなった後に臓器を提供することを選ぶ人が着実に増えています。最新の報告書によると、2024年の死後臓器提供者は前年比4.5%増の6,744人となり、新たに登録した人の多くを18〜35歳の若い世代が占めました。広東省広州市で開かれた国際会議で明らかになった内容を整理します。
2024年、死後臓器提供者は6,744人に
『中国臓器提供・移植発展報告(2024)』によると、2024年に中国で亡くなった後に臓器を提供した人は6,744人でした。これは、前年から4.5%増えたことを意味します。
同じ年に記録された臓器提供件数は、死後提供と生体提供を合わせて1万1,249件に上りました。その内訳は次のとおりです。
- 臓器提供件数合計:1万1,249件
- うち、死後の臓器提供:6,744件
- 親族からの生体提供:4,505件
- 臓器移植手術件数:年間2万4,000件超
ここでいう「死後の臓器提供」は、本人が亡くなった後に臓器を提供するケース、「生体提供」は親族が生きた状態で一部の臓器を提供するケースを指します。数字の上でも、臓器提供と移植医療の体制整備が進んでいる様子がうかがえます。
新規登録36万4,000人、その7割超が18〜35歳
報告書は、死亡後の臓器提供に自発的に登録する人の増加も伝えています。2024年には、死後臓器提供の新たな登録者が36万4,000人に達しました。
注目されるのは、その年の新規登録者のうち、18〜35歳が77%を占めたことです。統計上、多数派となっているのは若い世代であり、臓器提供に対する意識の中心が若い年代に移りつつあることが読み取れます。
スマートフォンやオンラインサービスを日常的に使う世代ほど、情報にアクセスしやすく、登録の手続きもためらいなく進めやすいと考えられます。また、生命倫理や医療のテーマをめぐる議論に触れる機会が増えたことも、死後臓器提供を「自分ごと」として考えるきっかけになっているのかもしれません。
広州で国際会議、「一帯一路」協力の場でも
この報告書は、中国広東省の省都・広州市で開かれた第8回中国国際臓器提供大会と、「一帯一路」臓器提供・移植国際協力発展シンポジウムの場で発表されました。会議は12月6日から8日までの3日間にわたり開催されました。
会議は、中国国家臓器提供・移植委員会の指導のもと、中国器官移植発展基金会と中国臓器提供管理センターが主催しました。臓器提供と移植医療をめぐって、中国と一帯一路に関わる各国・地域との協力や経験共有を進める場ともなっています。
数字が映すこれからの課題
死後の臓器提供者が増え、新規登録の中心が若い世代へと移っているという今回の報告は、臓器提供が特別な行動から、社会に徐々に根づいた選択肢へと変わりつつあることを示しています。一方で、数字の増加はスタート地点にすぎず、制度や運用の質をどう高めていくかも問われます。
臓器提供が広がるほど、提供する人とその家族、移植を受ける人の権利と尊厳をどのように守るかという課題も重みを増します。意思表示の方法を分かりやすくし、家族が迷いや葛藤を抱えたときに支える仕組みを用意すること、そしてプロセスの透明性を高めることなどは、多くの国と地域に共通するテーマです。
広州での国際会議で共有されたデータや経験は、こうした課題に向き合ううえでの材料となります。2024年の数字が示す若い世代の動きが、一過性のものに終わるのか、それとも臓器提供に対する長期的な意識変化につながっていくのか。今後の報告や議論にも注目が集まりそうです。
Reference(s):
More young Chinese willing to donate organs when they die: report
cgtn.com







