香港ワンフックコート火災 入院24人は全員安定に
香港の住宅団地ワンフックコート(Wang Fuk Court)で起きた大規模火災で、入院を続けている24人全員の容体が安定していると、香港の病院当局であるHospital Authority(HA)が火曜日に明らかにしました。医療費の全額免除や心理的支援、火災安全対策の見直しなど、現地では「その後」の支えが動き出しています。
入院中の24人、全員が安定した状態に
HAの報道担当者によると、ワンフックコート火災で負傷し公立病院に搬送された79人のうち、現在も入院している24人は全員が安定した状態にあります。これまでに19人が一時は危篤とされていましたが、その「最後の1人」も火曜日に危篤から回復し、ほかの患者と同様に状態が落ち着いてきているとされています。
大規模な火災直後には、短時間で多数の重症患者が運び込まれることになりますが、今回のケースでは、時間の経過とともに容体が改善している様子がうかがえます。HAは、引き続き入院患者に適切な治療とケアを提供し、回復を支えていく方針です。
治療だけでなく、リハビリと「心」のケアも
HAは、入院中だけでなく退院後も含めた長期的なサポートを強調しています。医療スタッフは、患者一人ひとりの状況に応じて治療を続けるとともに、退院後のリハビリテーション(機能回復訓練)の計画についてもフォローしていくとしています。
また、火災による負傷は身体だけでなく、心にも深い影響を残すことがあります。HAによれば、患者本人だけでなく家族に対しても心理的な支援が提供されており、不安やトラウマに寄り添う体制が整えられつつあります。大きな事故や災害の後に、精神面のケアが公式に打ち出されることは、医療や福祉の現場で重視されるようになってきた流れとも重なります。
2026年末まで医療費を全額免除
経済的な負担を和らげるための措置も取られています。HAの報道担当者は、ワンフックコートの住民については、2026年12月31日まで医療費を全額免除すると明らかにしました。現在から見ても1年以上先の2026年末まで、長期にわたる医療支援を約束した形です。
火災で負傷した人の中には、入院や通院が長期化し、生活や仕事に影響が出るケースも考えられます。医療費の負担が軽減されることで、治療やリハビリをあきらめずに続けやすくなる面もあり、被災後の生活再建を支える一つの柱になりそうです。
ソーシャルワーカーと当局、地域での支援と安全対策を強化
現場を支えるのは医療機関だけではありません。香港ではソーシャルワーカーが被災した住民に連絡を取り、さまざまな相談に応じながら支援を行っているとされています。制度の案内や日々の困りごとの聞き取りなど、生活全体を見渡す役割が期待されています。
一方、当局は建物の保守に関わるプロジェクトについて、香港全体で火災安全の総点検を進めています。今回の火災を受けて、建物の安全の見直しが都市規模で動き出していることになります。大規模な事故の後に、個別の被災者支援と並行して、仕組みや基準そのものを見直すプロセスが走るのは、多くの都市で見られる流れでもあります。
「ニュースの先」をどう見つめるか
大きな火災が起きたとき、注目されるのは犠牲者数や出火原因などの速報になりがちです。今回のワンフックコート火災のように、しばらく時間が経ってから入院患者の容体や支援の中身が明らかになると、現場では長い時間をかけた回復のプロセスが続いていることが見えてきます。
入院中の24人が全員安定した状態になったこと、2026年末までの医療費免除が打ち出されたこと、ソーシャルワーカーと行政が生活と安全の両面で支えようとしていること。こうした複数の動きが重なり合うことで、被災した人々の日常が少しずつ取り戻されていきます。
ニュースとして一度は通り過ぎた火災も、その後には長い時間が流れています。医療、福祉、都市の安全対策のそれぞれがどのようにつながっていくのかを見ていくことが、今後の国際ニュースを読み解く一つの手がかりになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








