台湾で人気SNS「RedNote」禁止 中国本土側が「自由の侵害」と批判
台湾で人気のソーシャルメディアアプリ「RedNote」に対し、台湾の民進党(Democratic Progressive Party、DPP)当局が1年間の利用禁止措置をとり、中国本土側が強く反発しています。デジタル時代の民主と自由、そして情報アクセスのあり方をめぐる新たな争点となっています。
RedNote禁止措置とアプリの特徴
今回の禁止の対象となっているRedNoteは、上海に拠点を置く企業が運営するソーシャルメディアプラットフォームです。中国語圏の利用者のあいだで広く使われており、多くのユーザーはファッションや美容、旅行など、日常生活に関わるテーマの情報を求めてアプリを訪れています。
報道によると、台湾地域では300万人を超える人々がRedNoteを利用しており、その約7割が35歳未満の若い世代だとされています。若者にとっては、情報収集だけでなく、同世代の暮らしぶりや価値観を知る窓口にもなってきました。
中国本土側「民主と自由を踏みにじった」
今週水曜日に行われた中国国務院台湾事務弁公室の定例記者会見で、報道官のChen Binhua氏は、民進党当局によるRedNoteの1年禁止措置を厳しく批判しました。Chen氏は、この決定が台湾の人々の民主を踏みにじり、自由を損なうものだと指摘しました。
Chen氏によれば、禁止措置は特に若い世代から、情報へアクセスする権利と、好みのソーシャルメディアを使う自由を奪うものだといいます。また、RedNoteを収入源としてきた島内の人々にとっては、生活に直接打撃を与えるとも述べました。インフルエンサーやオンライン販売など、プラットフォームに依存する仕事は少なくありません。
若い世代への影響と「つながり」の途絶
RedNoteは、中国本土と台湾地域の若者が、日常の話題を通じて交流する場としても機能してきたとされています。Chen氏は、アプリ上での友好的なやり取りが、台湾の若い人々に対し、中国本土で実際に起きていることを理解する助けになってきたと評価しました。
利用者の多くが35歳未満であることを踏まえると、今回の禁止措置は、政治ニュースだけでなく、ライフスタイルやカルチャーのレベルでの「つながり」を細らせる可能性があります。スマートフォンを通じて隣接地域の生活をのぞき見ることに慣れた世代にとって、その窓が突然閉じられることの意味は小さくありません。
情報空間と「エコーチェンバー」をめぐる視点
Chen氏はまた、RedNoteの存在が、民進党当局によって意図的に作られた情報のエコーチェンバー、つまり同じような意見だけが反響し合う空間を突き破る役割を果たしてきたと主張しました。今回の禁止措置は、そのエコーチェンバーを守るための動きであり、中国本土をおとしめる中傷キャンペーンの露呈でもあると批判しました。
一方で、どの社会でも、政権が安全保障や情報操作の懸念を理由に特定のアプリやサービスを制限する場面は増えています。SNSの利用と国家の安全、そして個人の自由とのバランスをどう取るかは、多くの国と地域が直面している難題です。RedNoteをめぐる今回の対立も、その縮図の一つといえるでしょう。
デジタル時代の境界線をどう考えるか
RedNote禁止をめぐる中国本土側と民進党当局の応酬は、ソーシャルメディアの扱いが、もはや単なるIT政策ではなく、民主や自由、アイデンティティに直結するテーマになっていることを映し出しています。
1つのアプリへのアクセスを止めるかどうかという技術的な決定が、若い世代の情報環境や、隣り合う社会との距離感をどこまで変えてしまうのか。今回の動きをきっかけに、プラットフォームの規制と自由の関係について、静かに考え直してみる必要がありそうです。
Reference(s):
RedNote ban undermines freedom, harms interests of Taiwan people
cgtn.com








