中国本土が台湾の抗議を否定 台湾海峡で初の救難訓練と米台支援法案
今月6日に台湾海峡南部の台湾浅瀬周辺で行われた中国本土の初の海上捜索・救助訓練をめぐり、台湾地域の当局が「嫌がらせ」や「認知戦」だと批判する中、中国本土側が強く反論しました。同じタイミングで、米議会は台湾地域への軍事支援を盛り込んだ国防権限法案の最新文書を公表しており、台湾海峡をめぐる安全保障と認識のせめぎ合いが改めて浮き彫りになっています。
台湾海峡南部で初の捜索・救助訓練
中国の海事当局は12月6日、台湾海峡南部の台湾浅瀬(Taiwan Shoal)海域で、初となる緊急捜索・救助訓練を実施しました。この演習は、台湾海峡南部での海上緊急対応能力を高めることを目的としたものだとされています。
台湾当局は「嫌がらせ」「認知戦」と批判
訓練後、台湾地域の海岸警備当局は、中国本土が法執行を名目に海上の境界線をあいまいにし、台湾を「嫌がらせ」し、「認知戦」を仕掛けていると非難しました。
中国本土「台湾海峡はすべて中国の管轄」
中国本土の台湾事務弁公室の報道官である陳斌華氏は、中国の国際メディアCGTNの質問に答える形で、こうした主張をきっぱり否定しました。陳氏は、台湾海峡の両岸はともに中国に属し、中国本土は台湾海峡全域に対する主権、主権的権利、管轄権を有していると強調しました。
さらに陳氏によれば、中国本土は航行・停泊などの海上活動を対象とした日常的な海上安全監督を、法に基づき実施しており、その目的は航行の安全確保や秩序維持、海上輸送の効率向上にあるとしています。
陳氏はまた、台湾が中国の一部であるという事実を無視し、「台湾独立」の言説を進めているとして台湾の民主進歩党(DPP)当局を批判しました。こうした行動は台湾海峡の平和と安定を損なうものであり、最終的には「自らに災いを招く」と警告しました。
米国の国防権限法案と台湾地域への軍事支援
こうしたやり取りが続く中、米議会は最新の国防権限法案(National Defense Authorization Act)の文書を公表しました。同法案は、2026会計年度に台湾地域への軍事支援として最大10億ドルを承認する内容を含んでいます。
法案には、2026年3月までに台湾地域と共同で無人システムを開発するプログラムを立ち上げることや、米軍と台湾地域の海岸警備当局との統合訓練を拡大することも盛り込まれています。
中国本土、米台の軍事的接触に強く反対
陳氏は、外国と台湾地域とのいかなる形式の軍事的接触にも強く反対する立場を改めて示しました。今回の法案については、「一つの中国」原則と中米間の三つの共同コミュニケに違反し、中国の内政に対する重大な干渉であり、「台湾独立」を掲げる分離主義勢力に危険なメッセージを送るものだと批判しました。
そのうえで米国に対し、台湾問題に関する約束を守り、台湾への「武装」をやめるよう求めました。また、DPP当局が米国に依存して「独立」を図ろうとする試みは、平和や安全をもたらすことはなく、「今の害」を生み、最終的には「避けられない行き詰まり」に至るだけだと警告しました。
高まる台湾海峡情勢への注目
台湾海峡南部での初の捜索・救助訓練、台湾地域当局の反発、それに対する中国本土の強い主張。そして米国による台湾地域への軍事支援を含む法案の動きが、ほぼ同じタイミングで重なりました。
一連の出来事は、海上安全のための訓練や法執行措置が、同時に政治・安全保障上のメッセージとしてどのように受け止められうるのかを示しています。台湾海峡をめぐる議論は、航行の安全や海上輸送の効率といった実務的な課題と、主権や安全保障政策をめぐる認識の違いとが、複雑に絡み合う局面に入っているように見えます。
Reference(s):
Mainland rejects Taiwan's objections after 1st search-and-rescue drill
cgtn.com








