中国国産大型ドローン「九天」が初飛行 16トン級で民生利用を想定
中国で開発された国産大型無人航空機「九天」が、中国北西部・陝西省蒲城で木曜日、初飛行に成功しました。全長16.35メートル、最大離陸重量16トンという機体は、最大6トンの貨物を運び、災害対応から物資輸送まで幅広い民生用途を想定しています。
大型無人機「九天」とは
九天は、中国航空工業集団(Aviation Industry Corporation of China、AVIC)が開発した大型の無人航空機です。一般用途向けに設計された機体で、長時間の飛行と大きな搭載能力を両立させています。
主なスペック
- 全長:16.35メートル
- 翼幅:25メートル
- 最大離陸重量:16トン
- 最大ペイロード(搭載量):6,000キログラム
- 最大滞空時間:12時間
- 航続距離:約7,000キロメートル
開発元によると、九天は高い運用高度、広い速度域、短距離での離着陸性能を備えています。これにより、整備された大規模空港だけでなく、滑走路条件が限られた地域でも運用しやすいとみられます。
モジュール方式で多用途に対応
九天の特徴の一つが、用途に応じて機器を入れ替えられるモジュール型の搭載システムです。機体そのものは共通化しつつ、搭載する機器を組み替えることで、さまざまな任務に対応できる設計になっています。
想定される主な民生ミッション
- 遠隔地への重量貨物輸送:道路網が整っていない山間部や離れた地域に、食料や医療物資、重要部品などをまとめて届ける役割
- 緊急通信の確保:災害で地上の通信インフラが損傷した際、上空から一時的な通信ネットワークを提供する中継拠点としての利用
- 災害救援・被害状況の把握:広い被災地を上空から撮影し、道路の寸断状況や被害の全体像を迅速に把握する支援
- 地理情報の取得・資源調査:地形測量や資源分布の調査など、大面積を対象とした観測・測定
こうした任務では、人が乗らない大型機を使うことで、安全性の確保やコスト削減、作業の効率化が期待されます。特に、天候が変わりやすく地上からのアクセスが難しい地域では、長時間滞空できる大型ドローンの利点が生きてきます。
広がる大型ドローン市場の中で
2025年現在、世界各地で無人航空機の活用範囲が広がり続けています。小型機による宅配サービスの実験から、農業やインフラ点検、災害対策まで、用途は年々多様化しています。
その中で、九天のような16トン級の大型機は、より重い荷物を遠くまで運べる点で注目されます。1機あたりの輸送能力が高まることで、これまでヘリコプターや輸送機が担ってきた一部の任務を、無人機が補完する可能性もあります。
一方で、大型無人機が本格的に運用されるためには、空域管理のルールづくりや、安全性を確保するための技術基準の整備が欠かせません。有人機と無人機が同じ空を飛ぶ場面が増えるほど、運航管理や通信の仕組みは重要になります。
何が今後の焦点になるのか
今回の初飛行は、九天が設計どおりに飛行できることを示した第一歩です。今後は、さまざまな気象条件や地形での飛行試験を重ね、信頼性や安全性を高めていく段階に入るとみられます。
注目されるポイントとしては、次のような点が挙げられます。
- どのような民生プロジェクトで本格導入されていくのか
- 既存の物流や災害対応の仕組みと、どのように組み合わされていくのか
- 無人機の運航に関するルール整備が、実際の運用スピードに追いつけるかどうか
九天の初飛行は、一つの機体のニュースであると同時に、大型ドローンが私たちの生活や経済のどこに入り込んでいくのかを考えるきっかけにもなります。空を使ったインフラがどのように変化していくのか、今後の動きが注目されます。
Reference(s):
China's domestically developed 'Jiutian' drone completes maiden flight
cgtn.com








