中国の何立峰副首相、IMFに協力強化を要請 上海センター始動
国際通貨基金(IMF)と中国の関係強化に向けた動きが、2025年年末の北京で一段と鮮明になりました。中国の何立峰(か・りつほう)副首相は、IMFに対し多国間貿易体制を支え続けるとともに、中国との協力を一層深め、世界経済に「新たな活力」をもたらすよう呼びかけました。
会談は10日(水)、北京で行われ、IMFのクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事が出席しました。今週月曜日に本格稼働を始めたばかりの「IMF上海センター」にも言及され、中国とIMFの協力が新たな段階に入ったことを印象づけています。
何副首相「中国経済は安定的で健全な成長」
中国共産党中央政治局委員でもある何副首相は、今年初めから中国経済は安定的で健全な成長の勢いを維持していると強調しました。そのうえで、中国には持続的で健康的な経済発展を続けていく自信と能力があると述べました。
さらに何副首相は、IMFが世界経済に対して引き続き前向きな影響力を発揮し、多国間貿易体制を支持し続けることへの期待を表明しました。そのうえで、中国との協力をより深めることで、中国と世界の経済発展に新たな活力を注ぎ込みたいとの考えを示しました。
IMF専務理事「中国の貢献を高く評価」
これに対しゲオルギエバ専務理事は、IMFとして中国の世界経済への貢献を高く評価していると述べました。また、IMF上海センターの設立にあたり、中国が強力な支援を行ったことに謝意を示しました。
東部の大都市・上海に設けられたIMF上海センターは、今週月曜日に正式な運営を開始しました。今後、各国・地域の関係者との対話や交流の場となり、中国とIMFの協力を具体化する象徴的な拠点としての役割が期待されています。
ゲオルギエバ専務理事は、IMFとして今後も中国との協力を強化していく意向を改めて示しました。
多国間貿易体制と「新たな活力」
今回の会談で繰り返し語られたキーワードが、多国間貿易体制と世界経済への「新たな活力」です。世界的に不確実性が高まる中で、IMFと中国が多国間の枠組みを支持する姿勢を改めて明確にした形だと言えます。
IMFは加盟国への資金支援や政策助言を通じて、国際金融の安定を図る役割を担っています。大きな経済規模を持つ中国との連携が深まれば、危機対応や成長戦略の議論において、新興国や途上国の視点をより反映しやすくなるとの見方もあります。
今後の焦点:協力の「中身」はどう変わるか
何副首相が語った「協力のさらなる深化」が具体的に何を意味するのかは、今後の注目点です。例えば、
- 世界経済の見通しに関する政策対話の頻度やレベルを高めること
- 危機対応や債務問題への取り組みで、中国とIMFの連携をより密にすること
- 気候変動やデジタル経済といった新しい課題に共同で取り組む枠組みを探ること
といった方向性が考えられます。
2025年も終わりに近づく中で、中国は自国経済の「安定的で健全な成長」をアピールしつつ、IMFをはじめとする国際機関との対話を通じて、自らの役割を再定義しようとしています。上海という国際金融都市に新たな拠点が置かれたことで、その動きはいっそう可視化されつつあります。
静かに高まる期待と問い
北京と上海を舞台にした今回の一連の動きは、中国とIMFの距離が着実に縮まっていることを示しています。同時に、多国間の枠組みが揺らぎやすい時代において、大国と国際機関がどのように役割を分担し、協力していくのかという問いも投げかけています。
何立峰副首相の呼びかけと、ゲオルギエバ専務理事の応答。2026年に向けて世界経済の不確実性が続く中で、この対話がどのような具体的な協力につながっていくのかが、今後の注目ポイントになりそうです。
Reference(s):
Chinese vice premier calls for deepened cooperation with IMF
cgtn.com








