中国、メキシコの関税引き上げに反発 保護主義是正を要求
2026年1月からメキシコが一部輸入品への関税を引き上げる方針を巡り、中国が「一方的で保護主義的な措置だ」と強く反発しています。世界的に通商摩擦が高まりやすい中で、中国とメキシコという重要な経済パートナーの関係にどのような影響が出るのか、注目が集まっています。
メキシコの新関税、2026年1月に発効予定
中国商務省の報道官は11日木曜日、メキシコ議会が自由貿易協定を結んでいない国・地域を対象に関税を引き上げる提案を承認したことについてコメントしました。現地メディアによると、新たな関税は2026年1月1日に発効する見通しで、施行まであと数週間に迫っています。
報道官は、中国があらゆる形の一方的な関税引き上げに一貫して反対してきたとしたうえで、メキシコ側に対し、一方主義と保護主義という「誤ったやり方」を早期に正すよう求めました。
- メキシコ議会は、自由貿易協定の対象外となる相手国への関税引き上げを承認
- 新関税は2026年1月1日に発効予定
- 中国は、一方的な関税引き上げと保護主義に断固反対すると表明
- 今回の措置は、中国を含む関係国の利益を大きく損なうと懸念
- 中国商務省は9月末にメキシコに対する貿易投資障壁調査を開始し、現在も調査中
中国側の懸念:貿易相手国の利益が損なわれる可能性
報道官は、メキシコの新たな関税措置が実施されれば、中国を含む関係する貿易相手国の利益が「実質的に損なわれる」と強調しました。その一方で、メキシコ側が9月時点の案から一部内容を修正し、自動車部品や軽工業製品、繊維・衣料品などについては提案関税率を一定程度引き下げたことにも言及しました。
それでもなお、中国は全体としての影響は依然として大きいとの見方を崩していません。中国側は、今後メキシコの措置の実施状況を綿密に注視し、その影響をさらに評価していくとしています。
「一方的な関税引き上げ」と「保護主義」とは
今回、中国が問題視しているのは主に次の二点です。
- 一方的な関税引き上げ:相手国との協議や国際的な枠組みを経ずに、自国の判断だけで関税を引き上げること
- 貿易保護主義:自国産業を守ることを名目に、関税や輸入制限などで市場を閉じる傾向
短期的には、国内産業や雇用を守る手段として関税引き上げが選ばれることがありますが、輸入品の価格上昇や報復措置を通じて、長期的には自国企業や消費者の負担につながる場合もあります。中国は、こうした負の連鎖を避けるべきだと訴えている形です。
中国の対応:メキシコへの貿易投資障壁調査
中国商務省は、関連する中国の産業の利益を守るための措置として、2025年9月末にメキシコに対する貿易投資障壁調査を開始しました。これは、中国企業の輸出や海外投資に不当な障害が生じていないかを検証するための国内手続きです。
一般に、こうした調査では次のような点が焦点になります。
- 関税引き上げなどの措置が、中国企業の輸出や投資にどの程度の影響を与えるか
- 特定の国や企業を不当に不利に扱っていないか
- 国際的なルールや二国間・多国間の合意と整合的かどうか
調査の結果は、中国政府が今後どのような対応策をとるかを判断するうえでの重要な材料になります。報道官は、調査が現在進行中であると述べるにとどめ、具体的な見通しには触れていません。
「協定による解決」を歓迎しつつ、譲れない一線も
中国側は、経済・貿易分野の紛争を貿易協定を通じて解決すること自体には前向きな姿勢を示しています。しかし同時に、そのような協定が世界貿易全体の発展を犠牲にしたり、中国の正当な権益を損なう形で結ばれるべきではないとも強調しました。
つまり、中国はルールに基づく交渉や合意には開かれている一方で、自らの利益を大きく損なう妥協には応じない、という立場を改めて示したといえます。
中国・メキシコ経済関係の「安定」をどう守るか
報道官は、中国が中国・メキシコの経済・貿易関係を重視していることを繰り返し強調しました。これまで両国は、貿易や投資協力の「健全で安定した発展」を積極的に促進してきたと述べています。
現在の国際情勢は、貿易保護主義の影が差し、先行きの不透明感も強まっています。そうした中で中国は、メキシコが中国と「歩み寄り」、経済・貿易分野でのコミュニケーションと対話を強化し、意見の相違を適切に管理しつつ、実務的協力を深めることを期待しているとしています。
報道官は、メキシコ側がこの問題を重く受け止め、慎重に行動することを望むと述べました。関税をめぐる対立が両国関係全体に波及しないよう、冷静な対応を促している形です。
広がる保護主義の中で問われるバランス
今回のメキシコの関税引き上げとそれに対する中国の反応は、単なる二国間問題にとどまらず、世界的な通商環境の変化とも重なっています。各国や地域がサプライチェーンの再構築や国内産業の保護を模索する中で、関税や規制の強化が選択肢として浮上しやすい状況にあります。
一方で、過度な保護主義は貿易と投資の流れを細らせ、企業のコスト上昇や消費者の負担増を招きかねません。今回、中国が「保護主義の影が広がる複雑で不安定な国際情勢」に言及したのも、こうした広い文脈を意識してのことだと考えられます。
今後の焦点:発効までの数週間で何が起きるか
2026年1月1日の発効まで、メキシコの新関税をめぐってはいくつかの点が焦点になりそうです。
- メキシコ政府が、最終的な運用ルールや対象品目をどのように確定させるのか
- 中国の貿易投資障壁調査がどのような結論に至るのか
- 両国が対話や交渉の場を持ち、どこまで相互理解を深められるか
中国が呼びかけるように、双方が歩み寄りと対話を重ねれば、関税問題を管理しつつ、二国間の経済関係を安定させる余地は残されています。保護主義と自由な貿易のあいだでどのようなバランスを取るのか。今回の中国とメキシコの動きは、これからの国際経済の行方を考えるうえで、一つの試金石となりそうです。
Reference(s):
China opposes Mexico's tariff hikes, urges correction of protectionism
cgtn.com








