王毅外相、ブルネイとの相互利益協力を深化へ 中国・ASEAN関係の次の一歩
中国の王毅外相が北京でブルネイのエルワン第2外相と会談し、両国の相互利益に基づく協力を一段と深め、中国・ブルネイの「共有未来の共同体」づくりを推進していく方針を確認しました。地域秩序の行方が問われる中で、中国とASEANの関係、そして小国と大国のパートナーシップを考えるうえで注目される動きです。
北京での会談:高いレベルの対話を維持へ
会談は木曜日、北京で行われました。中国側からは王毅外相(中国共産党中央政治局委員)が出席し、ブルネイ側からはエルワン・ペヒン・ユソフ第2外相が出席しました。
王毅氏は、中国とブルネイが今後も次のような形で関係を強化していく用意があると強調しました。
- 首脳や閣僚級を含む高位レベルの往来を維持・拡大すること
- 戦略的な意思疎通を強めること
- 相互に利益をもたらす実務協力を一層深めること
- 多国間の場での協調を強化すること
こうした取り組みを通じて、中国とブルネイの「共有未来の共同体」の建設をさらに前に進めたい考えです。
「共有未来の共同体」とは何か
王毅氏が言及した「中国・ブルネイの共有未来の共同体」は、単なる経済協力を超えた包括的な関係を目指す言葉です。背景には次のような要素があります。
- 政治面での高い信頼関係
- エネルギーやインフラなど経済分野での長年の協力
- 人材交流や観光など、人的・文化的なつながり
中国側は、こうした土台の上に、戦略対話と実務協力をさらに積み重ねることで、両国の関係を「運命を分かち合うパートナー」として位置づけようとしています。
2026年、二つの「節目」が重なる
王毅氏は、来年2026年に、中国とASEANの包括的戦略的パートナーシップが5周年を迎えることを指摘しました。中国・ASEAN関係にとっても一つの区切りとなる年です。
王毅氏は、今後も次の点を重視すると述べました。
- 中国とASEANが互いに支え合い、信頼を深めること
- 開発戦略をすり合わせ、協力の「重点分野」をつくること
- 目に見える成果となる「協力のハイライト」を生み出すこと
一方、エルワン氏も、2026年が中国とブルネイの国交樹立35周年という節目の年になると強調しました。この35周年をきっかけに、次のような分野で関係をさらに発展させたい考えです。
- 首脳・外相レベルを含む高位級の交流
- 政治的な相互信頼の一層の強化
- 文化・教育・観光など、人と人との交流の拡大
- 製造業、農業、水産業といった実体経済での協力深化
ASEANの一員であるブルネイとの関係が厚みを増すことは、中国・ASEAN関係全体の安定にもつながっていきます。
「開放的な地域主義」と「冷戦思考」への警戒
王毅氏は会談で、「開放的な地域主義」を堅持し、「真の多国間主義」を実践すべきだと呼びかけました。そのうえで、一方的な圧力や「冷戦の考え方」に基づく対立を拒み、地域の繁栄と安定を支える「重要な力」になろうと訴えました。
ここで語られたキーワードを整理すると、次のような方向性が見えてきます。
- 開かれた形での地域協力を重視する姿勢
- 複数の国・地域が対話を通じて問題を解決しようとする多国間主義
- ブロック化や対立構図を強めるような「冷戦型」の発想への懸念
エルワン氏も、現在の国際情勢が不確実性に満ちているとしたうえで、地域の国々が協力を強め、「一国主義」や「ネオコロニアリズム」に共に対抗していく必要性を強調しました。そのうえで、中国は地域の団結と安定を推進するうえで、これまでも「最も重要な力」であり続けていると評価しました。
製造業・農業・水産業…広がる協力の余地
エルワン氏は、中国とブルネイの協力分野として、製造業、農業、水産業など具体的な産業を挙げました。資源が豊富で人口規模が比較的小さいブルネイにとって、経済の多角化と産業の高度化は大きなテーマです。
今回の会談で示された方向性からは、次のような展開が想像されます。
- 中国企業とブルネイ企業の共同投資や工場建設
- 農業技術や水産資源管理に関する技術協力
- 観光や教育プログラムを通じた人的交流の拡大
こうした協力が進めば、中国・ブルネイ関係はエネルギー分野にとどまらず、より多層的なパートナーシップへと変化していく可能性があります。
地域秩序の中で中国・ブルネイ関係を見る
今回の会談で繰り返されたのは、「協力」「多国間主義」「開放性」といった言葉でした。大国間の力学が複雑さを増す中、小さな国であっても、自らの利益と地域の安定の両方を意識しながら、パートナーシップを選び取っていく姿が浮かび上がります。
2026年には、中国・ASEAN関係と中国・ブルネイ関係の両方で節目の年を迎えます。そのタイミングに向けて、次のような点が注目されます。
- 中国とブルネイがどの分野で「協力のハイライト」を打ち出すのか
- 多国間の場で、中国とブルネイ、そしてASEANがどのようなメッセージを発信していくのか
- 「開放的な地域主義」という言葉が、具体的な政策やプロジェクトとしてどう形になるのか
静かに進むこうした外交の積み重ねが、東南アジアとその周辺の安定につながっていきます。今後の中国・ブルネイ関係、そして中国・ASEAN関係の動きが、地域のニュースとしてますます注目されそうです。
Reference(s):
Wang Yi urges deepening China-Brunei mutually beneficial cooperation
cgtn.com







