香港で足場ネットの防炎強化 HKSAR政府が新ルール導入
香港特別行政区政府(HKSAR政府)が、建設現場で使われる外部足場ネットについて、防炎性能を事前に証明することを義務づける新ルールを導入しました。火災時のリスク低減と業界の標準化を目指した動きで、検査体制や人材育成までを含む包括的な構えがとられています。
新ルールのポイント
- 外部足場ネットは使用前に、防炎性能を示す認証と試験報告書が必須
- 政府指定のサンプルを採取し、公的検査機関で試験を実施
- 合格した製品のみ使用可能、当局が抜き打ち検査も実施
- 修繕・保守だけでなく、新築・解体工事での足場ネットも対象
- 建設業議会(CIC)が一括調達、検査、研修、追跡ラベル制度を担う
外部足場ネットに防炎証明を義務化
開発局長を務めるベルナデット・リン氏は、新ルールの下では、外部足場ネットの防炎性能を証明するために、認証書と試験報告書の提出が求められると説明しました。使用に先立ち、政府が定める方法でサンプルを採取し、政府の検査機関に提出して試験を行います。
試験に合格した製品だけが現場で使用を認められ、規制当局はその後もランダムに抜き打ち検査を行い、性能が基準を満たし続けているかを確認します。書類だけではなく、実物に基づく検証を継続する仕組みです。
新築から解体まで広く対象、一部には柔軟性も
リン氏によると、新ルールはビルの修繕やメンテナンスで使われる足場ネットに限らず、新築工事や解体工事で使う外部足場ネットにも適用されます。建物のライフサイクル全体で、一貫した安全基準を求めるかたちです。
一方で、まだ人が入居していない新築構造物については、相対的にリスクが低いとみなし、一定の柔軟性を認める方針も示されています。安全確保と工事の実務負担とのバランスを探る考え方といえます。
検査結果は一週間以内を目標 支援策も整備
HKSAR政府は、新ルールの円滑な運用に向けて、十分な数の指定検査センターを設置するなどの支援策を打ち出しています。サンプル提出からおおむね一週間以内に検査結果を返すことを目標としており、工期への影響を抑えるねらいがうかがえます。
これにより、施工業者は事前に計画的なサンプル提出と認証取得を行う必要がありますが、結果が見通しやすくなることで、工事スケジュールの管理もしやすくなる可能性があります。
CICが一括調達と研修、追跡ラベル制度を担う
建設業議会(CIC)は、業界横断の支援役として、新ルールに対応した足場ネットの一括調達や検査サービスの調整を行います。個々の企業がばらばらに調達・検査を行うのではなく、一定のスケールメリットをいかした運用が想定されています。
移行期間中には、建設業界の実務者に向けて合計五千人分の研修枠を設け、受講者に補助金を提供する計画も示されました。新ルールの内容や実務上の手順を現場レベルで浸透させる狙いがあります。
さらにCICは、足場ネットが製造段階から建設現場での設置に至るまでの流れを記録するトレーサビリティ(追跡可能性)ラベル制度を構築するとしています。この制度により、どの現場でどの製品が使われているかをたどることができ、業界全体の実務慣行を標準化する効果が期待されます。
現場の安全と業務フローに与える影響
今回の新ルールによって、足場ネットの品質管理は書類と検査結果に裏づけられた、より透明性の高いものになります。一方で、現場や企業には、サンプル提出、結果の管理、ラベルの確認といった新たな業務フローへの対応が求められることになります。
その負担を和らげる役割を、指定検査センターやCICの一括調達・研修・ラベル制度が担うかたちです。安全基準の底上げと、現場の実務への配慮をどう両立させていくかが、今後の運用の焦点となりそうです。
Reference(s):
HKSAR government introduces new rules to ensure scaffolding net safety
cgtn.com








