北京・Qiyuan Villageの龍鼓 春節を告げる無形文化遺産のビート video poster
太鼓とシンバルの力強い響き、夜空に上がる花火、通りを照らすちょうちんの灯り——春節(旧正月)を迎える中国では、こうした光景が新年の訪れを告げます。北京市昌平区のQiyuan Villageでは、村に伝わる「龍鼓」の演舞が、春節シーズンに向けて祝祭の空気を一気に高める役割を担っています。
春節を彩る、北京・Qiyuan Villageの「龍鼓」
龍鼓の演目では、太鼓とシンバルのリズムが絶え間なく打ち鳴らされ、その音に合わせて花火が上がり、ちょうちんの灯りが揺れます。中国の春節(Chinese New Year)を象徴するにぎやかさと、村人たちの高揚した気持ちが、そのまま音と光になったような時間です。
厄を祓い、平安を祈る——280年以上続く村の芸能
Qiyuan Villageの龍鼓は、村人たちが災いを追い払い、平安を祈る気持ちを込めて受け継いできた伝統芸能です。この演舞は、少なくとも280年以上にわたって代々伝承されてきたとされており、長い年月のあいだ、春節のたびに村の人びとの心を一つにしてきました。
その文化的な価値が評価され、2007年には北京市の無形文化遺産に公式に登録されました。首都北京の地域文化を語るうえで欠かせない伝統のひとつとして、龍鼓はいまも大切に守られています。
- 村人の厄払いと平安祈願の願いが込められていること
- 280年以上にわたり伝承されてきた歴史を持つこと
- 2007年に北京市の無形文化遺産として公式に認められたこと
「無形の遺産」を日常のなかで守る
無形文化遺産とは、建物や遺跡のように目に見えるモノではなく、技や芸能、祭りの作法や人びとの祈りの形など、暮らしのなかで受け継がれてきた文化そのものを指します。Qiyuan Villageの龍鼓も、まさにそうした「無形の遺産」です。
この種の伝統芸能は、特別な展示室にしまい込むことはできません。春節という年中行事のなかで、村人が演じ、子どもたちがその姿を見て覚え、次の世代へと受け渡していくことでしか残せないものです。龍鼓の響きには、そうした日常の時間が幾世代にも重なった重みがあります。
デジタル時代に響くローカルなリズム
2025年12月現在、世界の多くの人びとはスマートフォンの画面越しに各地の春節を楽しむようになりました。もしQiyuan Villageの龍鼓の演舞が映像として届けば、太鼓とシンバルのリズム、花火とちょうちんの光のコントラストは、短い動画のなかでも強い印象を残すはずです。
離れた地域に暮らす私たちにとっても、Qiyuan Villageの龍鼓のようなローカルな祭りの物語は、「地域の小さな伝統」がどのようにして長く受け継がれていくのかを考えるきっかけになります。春節の喧騒の裏側には、災いを退け、平安を祈り続けてきた人びとの静かな願いが脈打っている——龍鼓のビートは、そのことを静かに教えてくれるようです。
Reference(s):
cgtn.com








