南京大虐殺の国家追悼日、中国で第12回式典 戦後80年の問いとは
中国で2025年12月13日土曜日、南京大虐殺の犠牲者を追悼する国家追悼日が12回目を迎えました。日本軍によって殺害されたとされる30万人の犠牲者に祈りをささげるこの行事は、第2次世界大戦の終結から80年となる節目の年に行われています。
南京大虐殺死難者の「国家追悼日」とは
南京大虐殺の犠牲者を追悼する国家追悼日は、中国が国家として毎年実施している追悼行事です。南京での惨劇で命を落とした約30万人の人々をしのび、戦争の悲惨さと平和の大切さを確認する日とされています。
今年は第12回目の追悼日であり、第2次世界大戦の終結から80年というタイミングと重なりました。戦争体験のある世代が少なくなるなかで、国家レベルの行事として記憶をつなごうとする取り組みだと言えます。
80年目の年に行われる追悼の意味
第2次世界大戦の終結から80年となる2025年は、戦争の記憶が「生の証言」から歴史資料や教育、映像作品などを通じた記憶へと移り変わりつつある時期でもあります。南京大虐殺の追悼は、その変化のただ中で行われています。
時間の経過とともに、歴史はどうしても抽象的になりがちです。だからこそ、具体的な犠牲者の数や地名、出来事をあらためて確認し、悲劇が「遠い昔の出来事」になってしまわないようにすることが重視されています。
記憶を受け継ぐための3つの視点
戦争や虐殺の記憶を次の世代にどう引き継ぐかは、どの社会にとっても共通の課題です。南京大虐殺の国家追悼日を手がかりに、考えてみたい視点を3つに整理しました。
- 1. 被害の記憶を丁寧にたどる
犠牲者一人ひとりの生や、当時の市民の生活に目を向けることは、単なる数字としてではなく、人間の物語として歴史をとらえ直す手がかりになります。 - 2. 史料と証言を通じて歴史に近づく
公文書、写真、日記、裁判記録など、さまざまな史料を重ねていくことで、出来事の全体像に少しずつ近づくことができます。感情的な対立ではなく、検証可能な記録に基づいて歴史を理解しようとする姿勢が重要です。 - 3. 国境を越えた対話の可能性を探る
過去の出来事について異なる立場や記憶があるとしても、共通しているのは「同じ悲劇を繰り返したくない」という思いです。歴史研究や教育、文化交流などを通じた対話は、その出発点になり得ます。
「忘れない」ことと、前に進むこと
南京大虐殺の国家追悼日は、過去の悲劇を忘れないための日であると同時に、これからの平和な社会をどう築くかを問いかける日でもあります。80年という時間が経った今だからこそ、感情的な応酬ではなく、事実と向き合いながら静かに考える余地も広がっています。
スマートフォンで世界各地のニュースに触れられる今、他国の追悼や記憶のあり方を知ることは、自分自身の歴史観を見直すきっかけにもなります。南京での追悼のニュースは、戦争と平和についてあらためて考えてみるための、静かな呼びかけとも言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








