CCIEE中国経済年会2025:成長5%と高品質発展への処方箋
中国国際経済交流センター(CCIEE)主催の「2025–2026中国経済年次会議」が土曜日、北京で開かれ、中国の経済当局者や専門家が成長見通しへの自信と今後の政策運営の方向性を示しました。本記事では、その主なポイントをコンパクトに整理します。
中央経済工作会議の方針を具体化する場に
今回の中国経済年次会議は、中央経済工作会議の「指導精神」をどのように具体的な政策に落とし込み、2026〜2030年の第15次五カ年計画のスタートに向けて高品質な発展の土台を築くかに焦点が当てられました。
会議には、中央財経委員会弁公室の常務副主任Han Wenxiu氏、国家発展改革委員会副秘書長Xiao Weiming氏、CCIEE副理事長Wang Yiming氏、中国人民銀行の元副総裁で国際通貨基金(IMF)の元副専務理事Zhu Min氏らが登壇し、今後の政策の方向性について詳しく説明しました。
「5%前後」成長への自信と経済のレジリエンス
Han氏は、中国経済は複数の圧力に直面しながらも着実に前進を続けており、強いレジリエンス(回復力)と、より高い品質の成長に向かう勢いを示していると強調しました。主要な経済指標は想定を上回る推移となっており、多くの国内外の機関が通年の成長率を「5%前後」と見込んでいると説明しました。これにより、中国が世界経済成長への最大の貢献主体であり続けていることが改めて示された形です。
国際通貨基金(IMF)やゴールドマン・サックスなどの国際機関が、今年および来年の中国の成長見通しを相次いで上方修正していることにも言及がありました。Han氏は、第14次五カ年計画期間を振り返り、中国は感染症の流行、供給網の混乱、自然災害といった異例の課題を乗り越えながら、経済規模を着実に拡大してきたと指摘。今年の国内総生産(GDP)は約140兆元(約19.84兆ドル)に達する見通しだと述べました。
対外貿易とマクロ政策:安定を軸に質の向上へ
会議では、対外貿易とマクロ経済政策の優先課題についても明確なメッセージが示されました。発表によれば、中国の対外部門は2025年、厳しい世界環境のなかでも成長を実現しており、強いレジリエンスを維持しています。
今後については、サービス輸出の支援、デジタル貿易やグリーン貿易の推進、輸出と輸入の双方の拡大を通じて、対外貿易の持続可能な発展を図る方針です。
マクロ政策運営では、「安定を保ちつつ、前進を図る」という基本方針を維持しながら、効率と質の向上をめざし、景気の波をならすカウンターシクリカル(景気の逆循環)およびクロスシクリカル(中長期的)な調整を強化するとされました。
財政政策については、より積極的なスタンスを維持しつつ、財政赤字や債務水準、支出規模を「適切な水準」に保ち、短期的な成長を下支えしながら将来のリスクに対応する余地も残すとしています。
金融政策では、適度に緩和的なスタンスを続け、政策の波及メカニズムを改善して内需拡大を後押しする方針です。また、人民元の為替レートを「合理的かつ均衡した水準」で安定させることを重視するとしました。
さらに、財政・金融・改革政策の連携を強化し、一貫性を高めることで、政策全体としての相乗効果を高めていく必要性が強調されました。
「二つの新しい」政策で消費を押し上げ
内需拡大、とりわけ消費の押し上げも大きなテーマとなりました。会議は、大規模な設備更新と消費財の買い替えを軸とする「二つの新しい」政策について、地方政府により大きな裁量を与える形で実施を最適化していくべきだと提案しました。
今年に入り、買い替え支援策は販売の大幅な伸びをけん引しており、とくに新エネルギー車の普及が進んでいるといいます。11月には新エネルギー車の普及率が60%に迫る水準まで上昇しました。また、スポーツイベント、文化、観光に関連する消費も堅調な状態が続いていると報告されました。
今後は、都市部と農村部の住民の所得を底上げする計画を打ち出すとともに、基礎年金の引き上げも継続する方針です。新たな需要で新たな供給を生み、その新たな供給がさらに需要をつくるという循環をめざし、消費パターンの変化に合わせた高品質な財やサービスの提供を拡大するとしています。
あわせて、サービス消費の潜在力を引き出すため、消費分野における「不合理な制約」を取り除く考えが示されました。さらに、インバウンド(訪中)消費の成長余地は大きいとして、海外からの訪問者が消費しやすい環境づくりを進める必要性も指摘されました。
グリーンエネルギーとカーボン市場の拡充
会議では、グリーン開発が中国の高品質な成長を特徴づける柱であることが改めて確認されました。エネルギー分野では、強いエネルギーシステム構築に向けた全体構想の策定を進めるとともに、新しいエネルギー構造の構築を加速させる方針です。
その際、化石燃料のクリーンかつ効率的な利用を進めつつ、グリーン電力の利用拡大を図るとしています。カーボンピーク(排出量のピークアウト)に向けて着実に前進し、主要産業における省エネ・脱炭素の高度化を進めることも課題として挙げられました。
全国的な排出量取引市場(カーボン・エミッション・トレーディング)のさらなる発展に加え、水素エネルギーやグリーン燃料といった新たな成長分野の育成にも力を入れるとしています。また、ゼロカーボンの産業パークや工場を複数整備する計画も示されました。
ビジネス環境の改善と企業改革
企業発展の分野では、企業に関わる行政法執行の規律をさらに整え、無秩序な競争を抑制することが強調されました。標準の策定や価格に関する執行といった規制の手段を総合的に活用し、公正な競争と品質に基づく価格形成が根付く市場環境を育てる狙いです。
同時に、国有企業改革をいっそう深化させるとともに、民間経済の発展を促すための制度整備を進める方針も示されました。企業に対する未払い債務の解消を急ぎ、新たな滞納が積み上がることを防ぐ取り組みも強化するとしています。
第15次五カ年計画期への橋渡しとして
今回の中国経済年次会議は、2025年の政策運営だけでなく、2026年から始まる第15次五カ年計画に向けた「助走」としての性格もにじみます。成長率の目標だけでなく、消費構造の転換、グリーンエネルギー、ビジネス環境の改善といった質的な課題が前面に出ている点が印象的です。
今後、中国が掲げた財政・金融・構造改革・グリーン政策がどこまで実行され、対外的な不確実性が高い環境のなかでどのように成長の安定と質の向上を両立させていくのか。今回の会議で示された方向性は、2025年以降の中国経済の動きを読み解くうえで、重要な手がかりになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








