中国とUAE外相が会談 包括的戦略パートナーシップと中東和平を協議
中国の王毅外相が今月12日から13日にかけてアラブ首長国連邦 UAE を訪問し、アブドラ・ビン・ザイド外相との会談後に共同声明を発表しました。包括的戦略パートナーシップの深化に加え、パレスチナ問題やガザ停戦、多国間協力まで幅広いテーマが盛り込まれている点が今回の特徴です。
今週の中国・UAE外相会談の概要
今回の訪問は、アラブ首長国連邦の副首相兼外相であるアブドラ・ビン・ザイド氏の招きで行われました。王毅外相とアブドラ外相は、中国とUAE両国および両国の人々の友好関係の全体像や、共通の関心事について踏み込んだ意見交換を行ったとされています。
共同声明によれば、中国とUAEの包括的戦略パートナーシップは各分野で前向きな進展を遂げており、両国の指導者と人々が共有する発展と繁栄への期待に応えていると双方は評価しました。
両外相は、昨年5月に行われたUAEのムハンマド・ビン・ザイド大統領の中国訪問と、習近平国家主席との会談で達成された重要な合意を着実に実行していくことで一致しました。そのうえで、二国間だけでなく多国間の場でも、関係を一段と引き上げていく方針を確認しています。
主権や領土をめぐる相互支持
中国側は、UAEが自国の主権、独立および領土の一体性を守る取り組みに対して、揺るぎない支持を表明しました。
これに対しUAEは、一つの中国原則を堅持する立場を改めて示し、台湾は中国の領土の不可分の一部であると明言しました。また、中国政府による国家統一の実現への支持と、中国の内政へのいかなる外部からの干渉にも反対する姿勢を表明しています。
中国側はさらに、大トンブ島、小トンブ島、アブムサ島をめぐる問題について、UAEが国連憲章や関連する国際法に基づき、二国間交渉を通じて平和的に解決しようとする努力を支持しました。領土問題に関して対話と国際法を重視する立場を示した形です。
一帯一路とUAEの長期ビジョンの連結
共同声明は、開発と経済協力の章にも多くの紙幅を割いています。中国側はUAEの各分野での発展を高く評価し、一帯一路構想と、UAEの長期ビジョンである We the UAE 2031 や Principles of the 50 をさらに連携させ、より高いレベルの発展を共に促進していく意欲を示しました。
UAE側は、中国共産党中央委員会第20期第4回全体会議が成功裏に開催されたことを称賛し、それが中国の質の高い発展と、互恵的な国際協力を後押しすると評価しました。国内の政策運営と対外協力を結び付けて注視している様子がうかがえます。
またUAEは、習近平国家主席が提唱したグローバル発展イニシアチブ、グローバル安全保障イニシアチブ、グローバル文明イニシアチブ、グローバルガバナンスイニシアチブを高く評価しました。中国側は、これら四つの枠組みの下での協力にUAEが参加するよう招請しており、開発から安全保障、文明間対話、国際制度までを含む幅広い連携の可能性が示されています。
経済・安全保障・人の往来まで 広がる実務協力
両国は、これまでの実務協力がさまざまな分野で実際の成果を上げていることを共に高く評価し、今後さらに連携を強めていく分野を具体的に列挙しました。
- 経済・貿易
- 投資
- 石油・ガス
- 再生可能エネルギー
- 水資源
- インフラ建設
- 科学研究
- 軍事
- 法執行と安全保障
- テロ対策および過激思想対策
さらに、中国語教育、観光、民間航空といった人的交流の分野を拡大し、包括的戦略パートナーシップの中身を一層豊かにしていくことでも一致しました。エネルギーやインフラに加え、教育や観光、安全保障協力まで含む立体的な関係を目指す方向性が打ち出されています。
ガザ停戦と二国家解決へのコミット
中東情勢、とりわけパレスチナ問題とガザをめぐる状況についても、共同声明は明確な文言を盛り込みました。中国とUAEは、二国家解決に基づく包括的で公正かつ永続的な和平の実現に改めてコミットすると確認しました。
そのうえで、1967年6月4日の境界線に基づき、完全な主権と実行可能な生活環境を備えた独立したパレスチナ国家を樹立し、イスラエルと平和かつ安全に共存するべきだとし、国際法と関連する国連決議に沿ってこれを進めるべきだと強調しています。
両国はまた、ガザでの停戦実現に向けた国際社会の取り組みを歓迎し、すべての当事者が停戦合意を順守して人道的な苦難を和らげ、持続的な平和に向けた条件を整える必要があると指摘しました。外交レベルで、停戦履行と人道支援を重視するメッセージを発した形です。
2026年のサミットと多国間協力への期待
地域と世界の枠組みに関しては、UAEが2026年に予定される第2回中国・アラブ諸国サミットと第2回中国・湾岸協力会議 GCC サミットの開催を中国が主催することへの支持を表明し、その成功に向けて中国とともに取り組む意向を示しました。中国側は、中国とGCCとの自由貿易協定交渉の早期妥結に向けて、UAEと協力する用意があると述べています。
中国は、UAEが地域問題で果たしている前向きで影響力のある役割を高く評価しました。一方UAEも、中国が中東および世界の平和と安定の促進において積極的な努力と重要な貢献を行っていると称賛しています。
両国は、国連やBRICS、上海協力機構などの多国間の場で意思疎通と調整を強化し、より繁栄し前向きな世界の実現に向けて協力していくことで一致しました。中東地域だけにとどまらない、グローバルな連携の枠組みを意識したメッセージと言えます。
静かに進む中国・UAE関係の立体化
今回の共同声明は、エネルギーや投資を軸とした従来の二国間関係から、主権や安全保障、文明間対話、ガバナンスまでを含む多層的なパートナーシップへと、中国とUAEの関係が静かに広がりつつあることを映し出しています。
ガザ停戦やパレスチナ国家樹立への言及、多国間の枠組みでの協調を前面に出した点も含め、地域秩序と世界的なルールづくりの双方に関わるテーマが一つの会談に集約された形です。2026年に向けた一連の国際会合や合意づくりの過程で、中国とUAEがどのような役割を担っていくのかが、今後の注目点になりそうです。
Reference(s):
Joint press release issued on meeting between Chinese, UAE FMs
cgtn.com








