中国本土で、自動運転レベル3の機能を備えた電気自動車(EV)セダン2車種に対し、初めて公道走行の許可が出ました。重慶と北京という2つの都市で、限定条件付きながら新たな段階の自動運転が現実の交通の中に入っていきます。
何が決まったのか
中国本土は月曜日、レベル3の自動運転機能を搭載したEVセダン2モデルに対し、公道での走行を認める道路許可を出しました。レベル3車両に対して公道での運行を公式に認めるのは、これが初めてとされています。
対象となるのは、以下の2モデルです。
- Changan Automobile(チャンガン・オートモービル)が開発したセダン
- BAIC Motor(ビーエーアイシー・モーター)のブランドであるArcfox(アークフォックス)のセダン
発表は、中国本土の工業・情報技術を担当する当局であるMinistry of Industry and Information Technology(工業・情報技術省)による声明で明らかにされました。
重慶と北京、それぞれの走行条件
今回の自動運転許可は、中国本土全域で自由に走れるという意味ではなく、都市や道路の種類、速度などが細かく決められた「条件付き」のものです。
重慶・Changanの車両
- 単一車線での自動運転に対応
- 交通渋滞時に、最高時速50キロメートルまで自動走行が可能
- 中国本土南西部の重慶にある、高速道路および都市高速道路の特定区間で運用が認められる
つまり、激しい渋滞が発生する場面で、車が自動的に加減速と車線維持を行い、ドライバーの負担を減らすことが想定されています。
北京・Arcfoxの車両
- 最高時速80キロメートルでの自動運転が可能
- 北京市内の指定された高速道路および都市高速道路区間で走行が認められる
重慶のケースよりも速度上限が高く設定されており、よりスムーズな交通状況を前提とした自動運転の活用がイメージされます。
レベル3自動運転とは何か
自動運転技術は、レベル0からレベル5までの6段階に分類されており、レベルが上がるほど技術は高度で知能的になるとされています。
その中で、今回許可されたレベル3は「条件付き自動運転」と呼ばれます。
- 車両が一定の条件下で、動的な運転タスク(加減速、車線維持など)を自動で行う
- ただし、人間のドライバーは常に介入できる状態で座っておく必要がある
- システムが対応できない状況では、ドライバーが運転を引き継ぐことが前提
完全にハンドルから手を離してよい「全自動運転」ではなく、あくまで人と機械が役割を分担しながら走る段階だといえます。
政策の流れと今回の意味
ここ数年、中国本土は自動運転技術の導入と活用を後押ししてきました。9月には、レベル3車両の生産を条件付きで認める作業計画が公表されており、制度面の整備が進められてきました。
今回の公道走行許可は、その作業計画を具体的な運用に落とし込む第一歩と位置づけられます。重慶と北京という異なる交通環境を持つ都市で、速度上限や走行条件を変えながらレベル3を導入することで、技術面・安全面・運用ルールのそれぞれについてデータと経験が蓄積されていくことが期待されます。
安全・責任・暮らしへの影響は
レベル3自動運転が公道に出ることで、いくつかの論点が改めて浮かび上がります。
- システムと人間のどちらが、どの範囲まで運転責任を負うのか
- ドライバーはどの程度システムを信頼し、どのタイミングで介入すべきか
- インフラや交通ルールは、自動運転を前提にどう設計し直されていくのか
今回の決定は、単に「新しい技術がテストされる」というだけでなく、運転の役割分担や、日常の移動のあり方を静かに問い直すきっかけにもなりそうです。中国本土での実証と運用の積み重ねが、今後の自動運転の議論にどのような視点をもたらすのかが注目されます。
Reference(s):
China grants first Level-3 autonomous driving vehicle permits
cgtn.com








