中国とシンガポール、BRIとイノベーションで協力深化へ 多国間貿易も共同で擁護
中国とシンガポールが2025年12月16日までに、共に「一帯一路(BRI)」の質の高い共同建設やイノベーション分野を含む幅広い領域で協力を深め、多国間貿易体制を守る方針を確認しました。地域の繁栄と安定に直結するテーマだけに、今後の具体化が注目されます。
重慶で4つの協力枠組み会合を同時開催
今回の合意は、中国の丁薛祥・副首相と、シンガポールのガン・キムヨン副首相が、中国・重慶で4つの二国間協力メカニズム会合を共同議長として取りまとめたことを受けたものです。
開催された会合は次の4つでした。
- 第21回 中国・シンガポール二国間協力合同委員会(JCBC)
- 第26回 蘇州工業園区 共同運営指導委員会
- 第17回 天津エコシティ 共同運営指導委員会
- 第9回 中国・シンガポール(重慶)戦略的相互接続性実証イニシアチブ 共同運営指導委員会
焦点は「BRIの高品質化」と新たな成長分野
両者は、BRIの高品質な共同建設、国家レベルの二国間協力プロジェクトに加え、経済・貿易、持続可能な開発、イノベーション、金融、公衆衛生、人的・文化交流といった分野について、踏み込んだ意見交換を行ったとされています。
また、開発戦略の連携を強め、共通の利益と協力分野をさらに見いだすこと、政策資源を活用して主要プロジェクトを高度化すること、「新質生産力(新しいタイプの生産性)」を育て、象徴的な成果につなげることでも一致しました。
「多国間貿易体制の擁護」を明記した意味
今回の会合では、両国が多国間貿易体制を擁護する姿勢を示し、自国の発展をより良い形で進めると同時に、地域の繁栄と安定を後押しする方針を確認しました。
国際的なサプライチェーン(供給網)や投資環境が揺れやすい局面では、貿易ルールの見通しや制度の安定性が企業活動にも直結します。両国がこの点を共同の柱として掲げたことは、協力の射程が個別プロジェクトにとどまらないことを示しています。
丁副首相とガン副首相が会談、相互尊重を確認
4会合に先立ち、丁副首相(中国共産党中央政治局常務委員)とガン副首相は会談しました。丁副首相は、中国・シンガポール関係が長期にわたり安定的に発展してきた背景として、両国指導者による戦略的な指導と、正しい政治的方向性へのコミットメントを挙げたとされています。
さらに、相互の信頼を高め、互いの核心的利益を尊重し、友好関係と互恵協力を着実に成長させていくべきだと述べました。
一方、ガン副首相は、シンガポールが中国との関係発展を重視し、「一つの中国」政策を堅持し、「台湾独立」に反対する立場を示した上で、各レベルの交流を強化し、二国間関係のさらなる発展を進めたいとの意向を述べたとされています。
鉄道エクスプレスの始動式典も実施
会合後、両者は中国・シンガポールの複合輸送(マルチモーダル)実証プロジェクトの枠組みで進められる、「重慶―中央アジア」「重慶―東南アジア」国際鉄道エクスプレスの始動式典にも出席しました。
物流の結節点を増やす試みは、貿易・投資の実務面を支える基盤として、今後の協力の具体像を測る材料になりそうです。
今後の注目点:プロジェクトの“見える化”が進むか
今回の合意は、協力分野が広く、制度面(多国間貿易)と実務面(鉄道エクスプレス)の両輪で進める構図が特徴です。今後は、
- BRI関連案件の「高品質化」がどの指標で進むのか
- イノベーションや金融、公衆衛生などで具体的な共同事業が出てくるか
- 物流ルート整備が企業の選択肢をどこまで増やすか
といった点が、ニュースの次の焦点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








