新疆の送電量が1兆キロワット時突破 中国本土エネルギー網の要に
中国本土北西部の新疆ウイグル自治区から全国各地へ送られた電力量の累計が、今週月曜日までに1兆キロワット時を超えました。2010年に始まった長距離送電プログラムが、エネルギー安全保障と環境対策の両面で大きな節目を迎えたかたちです。
2010年開始の送電プログラムが大台に
国有企業のState Grid Xinjiang Electric Power Companyによると、新疆からの累計送電量は月曜日までに1兆キロワット時を突破しました。この送電プログラムは2010年に始まり、中国本土の22の省などに電力を届けてきました。
新疆は石炭や太陽光、風力などの資源が豊富な地域であり、その電力を国土全体で共有する仕組みが整えられてきました。今回の節目は、こうしたインフラ整備が具体的な成果として表れたものといえます。
- 送電開始: 2010年
- 累計送電量: 1兆キロワット時を突破
- 送電先: 中国本土の22省など
- 送電能力: 3,300万キロワット
現在、新疆には5本の大規模送電ルートが整備されており、中国本土各地へ安定的に電力を送り出す基盤となっています。
約3割が新エネルギー源 石炭とCO2を大幅削減
今回の累計1兆キロワット時のうち、29.6パーセントは太陽光や風力などの新エネルギー由来とされています。およそ3割が再生可能エネルギーという構成は、環境負荷の軽減という点で大きな意味を持ちます。
同社によると、新疆からの送電によって削減された石炭消費量は約8,953万トン、二酸化炭素排出量に換算すると約2億4,000万トンが減った計算になります。これは、送電網を通じて温室効果ガスの削減に直接貢献していることを示しています。
- 新エネルギー比率: 29.6パーセント
- 削減された石炭消費: 約8,953万トン
- 削減されたCO2排出: 約2億4,000万トン
資源の豊富な地域で発電し、需要の大きい地域で消費するという構図は、エネルギー効率の向上と環境対策を同時に進める一つのモデルといえます。
5本の送電「大動脈」と全国統一市場
新疆では、これまでに5本の大規模送電ルートが整備され、合計で3,300万キロワットの送電能力を持つとされています。このインフラにより、地域をまたぐ大規模な電力輸送が可能になりました。
さらに新疆は、全国統一の電力市場にも統合されており、柔軟な取引制度を通じて送電ルートの活用を最適化しています。電力需要が時間帯によって変動する中で、供給と需要をきめ細かく調整する仕組みが重要になっています。
新疆は地理的に中国本土東部より西に位置し、東部とのあいだには2〜3時間ほどの時間差があります。この時間差を利用し、東部のピーク需要と新疆での発電状況を組み合わせることで、電力の有効活用と効率的な運用を目指しています。
エネルギー安全保障と脱炭素の交差点として
今回の1兆キロワット時という数字は、新疆が中国本土全体のエネルギー安全保障を支える重要な拠点となっていることを改めて示しました。同時に、その約3割が新エネルギー源であるという点は、長距離送電と再生可能エネルギーを組み合わせた新しいエネルギーモデルの可能性を映し出しています。
今後、送電量のさらなる拡大とともに、新エネルギーの比率をどこまで高めていけるかが一つの焦点となりそうです。大規模な送電インフラと全国統一市場を生かしながら、エネルギーの安定供給と環境負荷の低減を両立させる取り組みは、引き続き注目を集めそうです。
Reference(s):
cgtn.com








