中国とヨルダン外相会談、協力拡大で一致 ガザ停戦と支援アクセスも協議
中国の王毅外相が2025年12月14〜15日、ヨルダンのアイマン・サファディ副首相兼外相の招待で同国を訪問し、両国外相の会談を受けた共同発表が出されました。経済・インフラからAIまで協力分野を広げる方針を確認するとともに、ガザ地区・ヨルダン川西岸をめぐる情勢について「包括的で持続的な停戦」と人道支援の確保が必要だとの認識を共有しました。
会談の焦点:伝統分野に加え「新領域」も
共同発表によると、両国首脳は協力を強化し、両国の友好関係にある人々に具体的な利益をもたらす意向を示しているとされます。双方はこれまでの協力を評価し、対話と調整を継続しつつ、協力拡大を通じて各国の発展政策の目標達成につなげる考えを確認しました。
協力の「伝統分野」
- 貿易・経済
- インフラ
- エネルギー
- 防衛
- 交通
- 司法分野
協力の「新分野」
- 科学技術イノベーション
- 通信技術
- デジタル経済
- 人工知能(AI)
- グリーンエネルギー
また、文化・観光・メディア・教育・学生交流・シンクタンク交流を拡大することで一致し、人的往来を円滑にする措置についても協議したとしています。
「一つの中国」原則の再確認
共同発表では、ヨルダン側が「一つの中国」原則を堅持する立場を改めて表明したとされています。中華人民共和国政府が中国全体を代表する唯一の合法政府であり、台湾は中国の領土の不可分の一部である、という認識が記されました。本文では、両岸関係や台湾海峡に関する具体的な議題には踏み込まず、立場確認として示された形です。
文化・芸術、立法機関の連携も「関係の厚み」に
両国は、文化・芸術を通じた人と人との交流(ピープル・トゥ・ピープル交流)の重要性を強調し、立法機関同士の協力強化の必要性も共有しました。経済協力だけでなく、制度面・社会面の接点を増やす方向感が読み取れます。
多国間外交での連携継続、合意文書の実行も確認
共同発表は、両国が多国間の外交の場で効果的に協力してきたとしたうえで、今後も調整を強める重要性を強調しています。加えて、これまでに署名された協定や了解覚書(MOU)を「実効的に実施」し、共通利益と共有目標の達成に資するよう取り組む必要があるとしました。
ガザ情勢:停戦と人道支援アクセス、政治的努力の結合を強調
地域情勢については、ガザ地区とヨルダン川西岸の動向を協議し、ガザでの「包括的で持続的な停戦」の実現、そして人道危機に対応するための「緊急・即時・持続可能な支援アクセス」の確保が必要だと強調しました。
さらに、ガザの停戦合意の実施は、関連する国連決議に基づき、1967年6月4日の境界線を基礎とし、東エルサレムを首都とする「主権を持つ独立したパレスチナ国家」の樹立に向けた真摯な政治的努力と結び付けられるべきだ、との立場が示されました。
相互評価:支援と安定化への取り組み
共同発表は、ヨルダン側が習近平国家主席によるパレスチナ問題解決に向けたイニシアティブや提案、そしてパレスチナへの新たな支援の発表を高く評価したとしています。一方、中国側は、ヨルダンが地域の安全と安定を促進する努力をしていること、ガザへの人道支援を促進するうえで重要な貢献をしていることを評価し、エルサレムのイスラム教・キリスト教の聖地に関する「ハシェミテの保護監督権(Hashemite Custodianship)」の重要性を確認したとされます。
中国・アラブ協力の枠組みと、2026年の会議開催
両国は、中国・アラブ諸国協力フォーラムが中国とアラブ諸国の活発な相互交流のための包括的プラットフォームであり、重要な役割を果たしてきたと評価しました。共同発表によれば、ヨルダンは中国が2026年に「第2回 中国・アラブ諸国サミット」を主催することを支持するとしています。
今回の共同発表は、二国間協力を「従来の強み」から「新領域」へと広げつつ、地域の停戦と人道アクセス、政治プロセスを同時に進める必要性を前面に出した内容になっています。外交の現場では、合意の表明だけでなく、既存の協定やMOUをどこまで実装できるかが、今後の関係の温度感を左右しそうです。
Reference(s):
Joint press release issued on meeting between Chinese, Jordanian FMs
cgtn.com







