マカオ特別行政区で「文明間の相互学習」国際フォーラム、対話深化を専門家が提起
2025年12月、マカオ特別行政区で開かれた国際フォーラムで、中国の専門家らが「文明間の対話の深化」「相互学習」「対等な関係」を呼びかけました。文化を越えた交流が、人類の進歩や現在の地球規模課題への対応に欠かせない、という問題意識が共有されています。
マカオ特別行政区で2日間の国際フォーラム
議論の場となったのは「2025 国際文明相互学習フォーラム」です。マカオ特別行政区政府の文化局が主催し、中国社会科学院・中国歴史研究院の支援を受けて開催されました。
フォーラムには、政府部門、国際機関、学術機関などから、約10の国・地域に近い範囲の代表者を含む50人以上が参加。文明の包摂性(多様性を受け入れる姿勢)、文化イノベーション、協力的発展の新たな道筋を探ることが狙いとされています。
「多様性こそ文明の基本」——北京大学・銭成旦氏
北京大学の銭成旦(Qian Chengdan)氏は、文明の最も根本的で持続的な特徴は「多様性」だと強調しました。多様性が失われれば、相互学習そのものの意味が薄れる、という見立てです。
また銭氏は、文明は接触、比較、適応を重ねながら形成されてきたと述べています。河川流域文明の時代から、地域帝国の形成、さらに広域の文明圏へと移る過程でも、交流が誕生と成長の原動力だった、という説明です。
「文明の優劣」をめぐる見方への警鐘
銭氏は、文明の優越を前提とする発想を戒め、とりわけ植民地拡張の時代に形成された西洋中心の語りが、文明間の平等を損ない関係をゆがめた、と指摘しました。
さらに20世紀の世界的な近代化の過程について、銭氏は「文明の衝突」ではなく「文明の回帰」だと捉えています。非西洋社会が自信を取り戻し、長くゆがめられてきた不平等な関係が反転していく動きであり、これは現在も、人間と自然、道徳と利害、個人主義と集団主義、自由と社会秩序といった難題を考えるうえで重要だ、という趣旨です。
歴史例でたどる「相互学習」——中国社会科学院・李国強氏
中国社会科学院の研究者で、中国歴史研究院の副院長でもある李国強(Li Guoqiang)氏は、文明間交流を具体的な歴史事例で説明しました。たとえば、中国の科挙(官僚登用試験)制度が、英国などの公務員制度改革に影響した点を挙げ、これを「文明をまたぐ学び」のモデルとして位置づけています。
マカオの「東西の接点」と多文化的遺産
李氏はまた、中国と外部世界の双方向の交流の歴史を、古代の交易や技術の伝播から説き起こしたうえで、マカオが明末(1368-1644)から清初(1644-1911)にかけて東西文化交流の重要な玄関口となった役割にも言及しました。
異なる文明が「共存し、交わり、発展する」ためには開放性と包摂性が鍵になる——。李氏は、マカオの多文化的な遺産が、その可能性を示していると述べています。
「一国の知恵だけでは進歩は支えられない」
李氏は、人類の進歩を単独の知恵だけで支えることはできないとし、持続的な発展と共同の繁栄のためには、文明間の相互学習が必要だと強調しました。
今回のフォーラムが掲げた「対話」「相互学習」「対等」というキーワードは、国際社会が分断や不信に傾きやすい局面ほど重みを増します。歴史の具体例と、交流の実務が積み重なる場としてのマカオ——この組み合わせが、2025年の終盤に改めて注目を集めています。
Reference(s):
Experts call for deeper civilizational dialogue at forum in Macao SAR
cgtn.com








