マカオで「文明の相互学習」国際フォーラム、交流促進のイニシアチブ発表
2025年12月17日、マカオ特別行政区で開催された「文明の相互学習に関する国際フォーラム2025」は、文明間の相互理解を深めるためのイニシアチブ(提案文)を公表しました。12月16〜17日に行われた会議は、文化遺産の保護からデジタル活用までを一つの枠組みで捉え、対話と協力を具体的に進める方向性を示した形です。
会議の位置づけ:マカオで「対話」を掲げた理由
今回のフォーラムは、マカオが「中国と世界」「東洋と西洋」をつなぐ歴史的な接点であることを前提に、文明同士が学び合うための実務的な論点を整理しました。イニシアチブでは、マカオの歴史地区が持つ「異なる文明が共存してきた経験」を、現代の協力モデルに接続する姿勢が強調されています。
また、文書は「世界の平和と発展」のために、文明間の対話、相互学習、協力をより深める必要があるとし、国や地域、分野をまたぐ交流を後押しする考え方を示しました。
公表された「マカオ・イニシアチブ」5つの柱
イニシアチブ(原題:Mutual Learning among Civilizations and Inheritance through Innovation: The Macao Initiative)は、次の5点を軸に構成されています。
1)グローバルな視点で、文明間対話と経験共有を進める
多様な文明を「世界文明の庭」として広い視野で捉え、相互尊重と平等を原則に、研究や協力を促進するとしています。各地の統治経験や発展の知恵を整理し、文明の多様性の保全と平和・発展に知的資源を提供する狙いです。
2)開放性と包摂性を掲げ、人と人の交流を深める
マカオを「文明対話の拠点」として活用し、中国文化を主軸にしつつ多様な文化が共存する交流のプラットフォームづくりを提起。教育・学術・メディア・観光・芸術など複数のチャネルを通じ、理解と友好を広げるとしています。
3)文化遺産を大切にし、伝統の知恵を現代の発展につなぐ
有形・無形の文化遺産について、科学的保護、生きた形での継承、そして創造的な活用を強化する方針です。歴史文化の「現代的価値」を掘り起こし、近代化のプロセスで優れた伝統文化の創造的転換と革新的発展を促すとしています。
4)世代間継承に注目し、若者とデジタル革新を支える
若者を「文明相互学習の継承者・革新者」として育成し、包摂的で協働的、将来志向の学術・文化コミュニティの形成を呼びかけました。デジタル化や知能化(インテリジェント応用)など新技術の活用により、研究・発信・体験の新しい経路を広げ、国際的な資源と知識の共有を進めるとしています。
5)対話の場を共に築き、「グローバル文明イニシアチブ」を推進する
「文明の相互学習に関する国際フォーラム」を、開かれたハイレベルな対話・協力プラットフォームへ育てていく提案が盛り込まれました。人々の相互理解と親近感を継続的に高め、中国と海外の文明間の交流と相互学習を進めるとしています。あわせて、マカオが橋渡し役として、中国文化の国際的な発信や、文化の共栄に寄与する姿勢も示されました。
「遺産×対話×デジタル」が同じ文脈で語られた意味
今回の文書が特徴的なのは、文化遺産の保護や継承と、現代のデジタル技術活用、さらに若者の国際交流を、別々の政策課題ではなく「同じ流れ」として描いている点です。観光や芸術、メディア、学術といった領域を横断しながら、対話の回路を増やす――その発想が、短い提案文の中に通底しています。
今後の焦点:フォーラムが「継続する場」になれるか
イニシアチブは、マカオをリンク(結節点)とし、文化遺産を証しとし、対話を橋として、相互理解と協力を広げる意志を表明しました。次に問われるのは、提起された柱(研究協力、交流チャネル、遺産の活用、若者・デジタル、プラットフォーム化)が、継続的な取り組みとしてどう具体化されるかです。
Reference(s):
Macao SAR releases initiative to promote civilization mutual learning
cgtn.com








