中国本土の映画ブーム、興行だけじゃない「文化消費」の新しい波
2025年、中国本土の映画産業は興行収入が500億元を超える節目を迎えました。注目したいのは、勢いが映画館の外にまで広がり、観光や外食などの消費を動かす「文化消費」の新しい流れが生まれている点です。
興行収入500億元超が示す「次の広がり」
中国本土の映画は、いまや作品を鑑賞して終わりではなくなりつつあります。映画をきっかけに、ロケ地や舞台設定に触れたいという気持ちが高まり、旅や食といった日常の選択に影響する――そんな相乗効果が、消費の現場で形になってきました。
スクリーンから旅へ:アニメ映画「Nobody」の例
最近の例として挙げられているのが、アニメ映画「Nobody」です。この作品は、『西遊記』に登場する“四人のあまり知られていない怪物キャラクター”に光を当てた内容だとされています。
作品の人気を追い風に、古建築や史跡が多いことで知られる山西省では、当局が制作チームと連携し、映画への関心を実際の旅行需要へとつなげる取り組みを進めています。
山西省が用意した「2つの周遊ルート」
報じられているところでは、山西省では映画の“画面上の旅”を想起させる形で、来訪者向けに2つの周遊ルートを造成しました。映画体験を現地の風景や歴史的スポットの体験へと置き換えることで、「観る」から「行く」へと行動が移る設計です。
映画が生む文化消費とは:何が新しいのか
今回の動きは、映画を核にしながら、複数の産業がつながる点に特徴があります。たとえば、次のような連鎖が起きやすくなります。
- 観光:作品に登場する世界観や旅程を手がかりに、目的地を選ぶ
- 飲食:作品の雰囲気に寄せたメニューや体験が、外食の動機になる
- 地域施策:当局と制作側の連携で、関心を現地消費へ誘導する
映画のヒットが“話題”にとどまらず、地域の回遊や消費の設計に組み込まれていく――2025年の中国本土で見えてきたのは、そんな文化と経済の接続のしかたです。
これからの焦点:作品の熱量をどう「体験」に変えるか
映画の影響が広がるほど、問われるのは「熱量をどう持続させ、体験の質をどう担保するか」です。周遊ルートの作り方や、現地での受け皿(導線、混雑、情報提供)次第で、ブームは長期の価値にも、短期の一過性にもなり得ます。
興行収入の節目を越えた2025年、中国本土の映画ブームは、スクリーンの外でどんな“次の物語”を生むのか。文化消費の広がりは、今後もしばらく注目を集めそうです。
Reference(s):
cgtn.com








