国連安保理で中国代表、ガザの「包括的で持続的な停戦」を強調
2025年12月16日、国連安全保障理事会(安保理)の公開会合で、中国の国連常駐代表である傅聡(フー・ツォン)氏が、ガザで「包括的で持続的な停戦」を実現する必要性を強調しました。停戦合意があるにもかかわらず違反事案が相次ぐ中、停戦の“実効性”と人道状況の改善を同時に求めた発言として注目されます。
何が語られたのか:停戦の「形」ではなく「中身」
傅氏は、この2カ月ほどの間に停戦合意に反する事案が頻繁に起き、多数の民間人が死亡したと述べました。そのうえで、停戦合意とは単に激しい戦闘を弱めることではなく、敵対行為を終わらせることを意味すると指摘しました。
また、合意を損なう行為が続けば、壊れやすい停戦が崩れかねないとして、関係当事者、特にイスラエルに対し、停戦合意に基づく約束の履行と緊張を高める行動の停止を求めました。仲介に関わる当事者にも、合意の実施確保に向けた行動を促しています。
傅氏の主なポイント(要旨)
- 停戦は「低強度の攻撃に移ること」ではなく、敵対行為の終結である
- 停戦合意の履行を、関係当事者と仲介側が確実にする必要がある
- 人道支援の搬入拡大と国連機関の活動支援が急務
人道支援:検問所の全面開放と搬入制限の解除を要求
傅氏は、国際法上の義務を誠実に履行するようイスラエルに求め、すべての国境検問所の開放、ガザ地区への人道物資搬入に対する制限の解除、そして国連を含む支援機関が援助活動を行えるよう支えることを訴えました。
停戦の議論が軍事面に偏ると、現地の暮らしを支える物流・医療・避難の「回復」が後回しになりがちです。今回の発言は、停戦の実施と人道対応をセットで進めるべきだ、という問題提起でもあります。
ヨルダン川西岸:入植活動と暴力、パレスチナ自治政府の基盤への懸念
傅氏はガザだけでなく、ヨルダン川西岸についても言及しました。具体的には、入植活動の停止、入植者による暴力の抑止を求めたほか、パレスチナ民族権力機構(PNA)の統治基盤を損なう行為を止めるよう主張しました。
その中には、徴収された税の速やかな返還や、パレスチナ経済への制限措置の解除も含まれるとしています。停戦が続くかどうかは、前線の静けさだけでなく、政治・行政・経済の「持ちこたえ方」にも左右されるという見方が透けます。
将来像:二国家解決と「パレスチナ人がパレスチナを統治」
傅氏は、パレスチナ問題の解決策として「二国家解決」が唯一の現実的な道筋だと強調し、パレスチナが国連の正式加盟国となることを早期に支持するよう国際社会に呼びかけました。
また、ガザの将来については、「パレスチナ人がパレスチナを統治する」原則に沿うべきで、ガザの領土や人口構成を変えようとする試みは断固として退けられるべきだ、との立場を示しました。
今後の焦点:合意を「守らせる仕組み」をどう作るか
今回の発言は、停戦の必要性を訴えるだけでなく、停戦合意の履行を担保する仲介・監視・人道アクセスの設計へ議論を進めるべきだ、というメッセージにも読めます。安保理や関係国の動きが、「合意」から「実装」へ踏み込めるかが、年末にかけての重要な焦点になりそうです。
Reference(s):
China's UN envoy stresses need for durable ceasefire in Gaza
cgtn.com








