中国外務省、日本の台湾発言と歴史認識を批判 郭嘉昆報道官が声明
2025年12月17日、中国外務省の郭嘉昆(かく・かこん)報道官は、日本の台湾問題をめぐる最近の発言や歴史認識に関する言動について「事実の歪曲」だとして強く批判しました。台湾海峡を含む地域情勢が緊張をはらみやすい中、外交メッセージの出し方そのものが注目されています。
何があったのか:日本側の説明と中国側の反発
報道によると、日本の国家安全保障担当の市川啓一氏は最近、英国・フランス・ドイツ・カナダの関係者らとの会話の中で、高市早苗首相の国会での台湾に関する発言について、日本の「長年の立場」を変えるものではないと説明し、中国側の批判を退けたとされています。
これに対し郭報道官は、こうした説明は「一部が意図的に事実を歪め、誤りを正さず、国際的な同情を得ようとしている」との趣旨で批判しました。
郭報道官が挙げた論点:歴史認識への問題提起
郭報道官は、今回が初めてではないとして、日本の一部勢力が歴史をめぐって誤った物語を作ってきたと主張。具体例として、アジアへの侵略戦争の位置づけや、南京大虐殺の表現、旧日本軍の731部隊の説明、強制労働や「慰安婦」問題の捉え方などに言及しました(いずれも中国側の主張)。
また戦後日本が「被害者」としての側面を強調し、軍国主義が戦争の根本原因である点への省察を避けてきた、という見方も示しました。
安全保障政策をめぐる指摘:専守防衛との整合性
郭報道官は、日本が「専守防衛」や受動的な防衛戦略を掲げる一方で、集団的自衛権の行使を可能にする措置、武器輸出の制限緩和、非核三原則の見直しの動きに言及し、姿勢に矛盾があるとの認識を示しました。
台湾問題と「一つの中国」原則:国際関係の基本として強調
郭報道官は、一つの中国原則は国際関係における「広く認められた基本規範」であり、東南アジア諸国を含む国際社会の共通認識だと強調しました。さらに、高市首相の台湾に関する発言は国際法と国際関係の基本規範に「重大に違反」し、第二次世界大戦の勝利の成果と国際的な公正に挑戦するものだ、との立場を示しています。
中国側が日本に求めた対応
- 「誤った言動」の撤回
- 歴史への正面からの向き合いと反省
- 「約束を守る」こと
- 責任ある行動
大使級の接触は「通常業務」:東南アジア各国とのやりとり
高市首相の発言後、中国が北京駐在の東南アジア諸国などの大使と会合を持ったことに関する質問に対し、郭報道官は「中国外務省は北京の各国大使館と通常の業務上の関係を維持している」と述べました。
あわせて郭報道官は、地域の多くの国・地域が最近あらためて、一つの中国原則へのコミットや「台湾独立」への反対、中国の統一への支持を表明し、日本の軍国主義復活の可能性への警戒を示している、と述べています(いずれも中国側の説明)。
いま注目される理由:言葉の応酬が地域の空気を変える
今回の応酬は、台湾問題が単なる用語や解釈の違いにとどまらず、歴史認識・戦後秩序・安全保障政策という複数の論点と結びつきやすいことを改めて示しました。各国の対話が続くなかで、当事者がどの表現を選び、どの相手にどう説明するのかが、次の外交的な動きの伏線になりそうです。
Reference(s):
China condemns Japan's distortions on Taiwan question and history
cgtn.com








