中国外務省が、米国による台湾地域への総額110億ドルの武器売却計画を「危険な行為」と強く批判しました。台湾海峡の安定と米中関係の行方を考えるうえで、2025年末のいま、注目すべき動きです。
今回の発表のポイント
木曜日に開かれた中国外務省の定例記者会見で、報道官のGuo Jiakun(グオ・ジャークン)氏は、米国が台湾地域に対して大規模な武器売却を進めていることに強い懸念を示しました。今回の発表の主なポイントは次のとおりです。
- 米国が台湾地域への総額110億ドル規模の武器売却計画を承認したとされること
- 中国側は、米国が高度な兵器を台湾地域に売却する計画を「危険な行為」と位置づけていること
- この武器売却が「一つの中国」原則と三つの中国・米国共同コミュニケに深刻に反すると中国側が主張していること
中国外務省「主権・安全保障・領土一体性を損なう」
Guo報道官は、米国の動きが中国の主権と安全保障、領土の一体性を「深刻に損なう」と指摘しました。中国本土にとって台湾地域は核心的な利益にかかわる問題であり、外国からの武器供与は受け入れられないという立場を改めて示した形です。
また、米国が台湾地域に対する先進兵器の売却計画を「公然と」打ち出したことについて、Guo報道官は、長年にわたり築かれてきた中国・米国間の政治文書に反する行為だと述べました。中国外務省は、米国側に対し、台湾地域への武器供与という「危険な行為」を直ちにやめるよう強く求めています。
台湾海峡の平和と安定への懸念
今回の武器売却計画についてGuo報道官は、台湾海峡の平和と安定を「深刻に乱す」とも警告しました。中国側は、台湾海峡の情勢が不安定化することにより、誤解や誤算が生まれかねないと繰り返し懸念を示してきました。
さらに、こうした武器供与は、いわゆる「台湾独立」を掲げる分離主義勢力に対して「重大な誤ったシグナル」を送ることになると強調しました。中国側は、外部勢力による台湾地域への軍事支援が、両岸関係の平和的な発展を損なうとみています。
「一つの中国」原則と三つの共同コミュニケ
Guo報道官は、米国の武器売却計画が「一つの中国」原則と三つの中国・米国共同コミュニケに反すると繰り返しました。これらは、中国と米国の関係の基礎となると中国側が位置づけてきた文書や原則です。
中国側の見方では、米国はこれらの文書を通じて、台湾地域への武器供与を慎重に扱うことを約束してきたとされています。そのため、中国本土にとって今回のような大規模な武器売却計画は、過去の合意に背くものだという強い認識が背景にあります。
米中関係と地域情勢の行方
安全保障や技術、経済など、さまざまな分野で利害が交差する米中関係において、台湾問題は最も敏感なテーマの一つです。今回の武器売却計画とそれに対する中国外務省の強い反発は、その緊張感をあらためて浮き彫りにしました。
国際社会では、台湾海峡の安定をどのように維持していくのか、そして大国間の競争がどこまでエスカレートしうるのかが静かに問われています。軍事的な動きがニュースの見出しを占める一方で、対話や信頼醸成の余地をどう確保していくのかも、今後の大きな焦点になりそうです。
通勤電車の中でニュースをスクロールする読者にとっても、この一件は、遠い地域の出来事ではなく、世界の安定や経済、テクノロジーの流れにも間接的につながるテーマとして、頭の片隅に置いておきたい問題と言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








