中国本土の2025年興行収入が急伸、映画館の外へ広がる「Film+」消費
2025年の中国本土では、映画のヒットが映画館の売上にとどまらず、観光や外食、物販まで巻き込む「Film+」型の消費拡大につながっていることが注目されています。
年末商戦だけで40億元超、年間は500億元を突破
映画チケット販売プラットフォーム「猫眼娯楽(Maoyan Entertainment)」のデータによると、年末興行(11月28日〜12月31日)の累計興行収入は、2025年12月18日(木)夜時点で前売りを含め40億元(約5.7億ドル)を超えました。
また、中国映画局(China Film Administration)は、この数日前に2025年の年間興行収入が500億元を超えたと発表しています。年末に向けて数字が積み上がる時期に入っていることがうかがえます。
「ズートピア2」だけの話ではない——市場の厚みが生む波及
市場の勢いを象徴する例として、Artisan Gatewayによれば「ズートピア2」は中国本土だけで35.5億元を記録。Box Office Mojoが示す世界興収(約11.4億ドル)の約半分が中国本土という計算になります。
ただ、焦点は“単発の超大作”というより、ヒットを起点に周辺消費を立ち上げる土台が整ってきた点にあります。
鍵は「Film+」:映画を起点に、体験と買い物が増える仕組み
中国本土の映画産業では近年、映画を「鑑賞」で終わらせず、別の産業へ接続する「Film+(フィルムプラス)」消費モデルが成長の軸になりつつあります。
2025年には、中国映画局による「中国映画消費年(Chinese Film Consumption Year)」の取り組みが始動。映画と観光、飲食などをブランド連携で結び、映画館の外での支出を後押しする設計です。映画館向けの消費クーポンやテーマイベントは、関連分野での支出増にもつながったとされています。
春の北京イベント:来場7666万人、個人消費251.7億元
4月に始まった「2025中国映画消費年:北京映画&ライフフェスティバル」では、映画と外食、文化、観光をオンライン・オフラインで融合。30以上の主要商業エリアで延べ7666万人の来訪があり、個人消費は251.7億元に達したとされています。
物語を“買える形”に:IP商品が新たな成長ラインへ
もう一つの伸びしろが、作品の世界観やキャラクターを活用するIP(知的財産)関連の商品化です。中国メディアグループ(CMG)によると、中国アニメ「Nobody」の制作側は早い段階からIP商品ラインを計画し、正規ライセンス商品で約25億元の売上につながったといいます。
映画のヒットが、グッズ、コラボ企画、現地イベントなどに連鎖し、消費の入り口が増えていく。こうした構図が「映画産業=消費エンジン」という見方を強めています。
“一本の映画”から“複数の出費”へ——消費の導線が変わる
2025年の中国本土では、興行の好調さと並行して、映画が街のイベントや旅行、外食、物販に接続される場面が増えています。国内需要の拡大を重視する国家戦略の文脈とも重なり、映画産業がその一端を担う形です。
映画館の暗い客席で始まった物語が、鑑賞後の食事や小旅行、手元に残るグッズ購入へと続く。今季の数字は、その導線が広がっていることを示す一つの材料になりそうです。
Reference(s):
China's booming 2025 box office spurs growth beyond the film industry
cgtn.com








