中国本土の都市群、地表の熱源が「複合猛暑」の頻度に影響 CAS系研究
中国本土の主要な都市群で、地表面から大気へ供給される「熱(地表熱源)」が、複合的な高温(複合高温イベント)の起きやすさに関わっている——。中国科学院(CAS)傘下の西北生態環境資源研究院(NIEER)がこのほど公表した研究が、都市化と温暖化が重なる時代の“暑さの仕組み”を具体的に示しました。
研究は何を明らかにしたのか
NIEERによると研究は、都市群(複数都市が連続して広がる地域)で変化する地表熱源の特徴と、複合高温イベント(複数の要因が重なって生じる極端な高温)の関係を分析しました。都市の気候変化を理解するうえで、地表面のエネルギー収支(地表エネルギー)に注目する重要性を強調しています。
対象は中国本土の4大都市群
研究を率いたNIEERの高小清(Gao Xiaoqing)研究員によれば、分析対象は次の4地域です。
- 京津冀(北京・天津・河北)地域
- 珠江デルタ
- 長江デルタ
- 成渝(成都・重慶)地域
研究チームは、4都市群における地表熱源の時間的・空間的分布と変化を追い、地域差や複合高温イベントとの相関の“仕組み”もたどったとしています。
主な結果:夏に強く、冬に弱い——ただし地域で表情が違う
結果として、4都市群の地表熱源はいずれも「夏に強く、冬に弱い」季節パターンを示しました。一方で、空間的な現れ方には違いが出たといいます。
京津冀:南で強く、北で弱い(冬に“熱の吸い込み”も)
京津冀地域では、地表熱源が「南で強く、北で弱い」傾向。北部は冬に熱の吸収域(ヒートシンク)になりやすいとされます。
長江デルタ:河川沿いに熱源が分布、大都市は相対的に低め
長江デルタでは、主要な熱源が河川沿いに分布する一方、大都市は比較的地表の熱が低いという特徴が示されたとしています。
なぜ差が生まれる? 地形・気候・都市化の“合成”
都市群ごとの地表熱源の違いは、地形、気候条件、そして都市化の度合いが組み合わさって調整している(複合的に作用している)と高氏は説明します。都市化の進行に伴い、地表面の特徴や人間活動の変化が、地表熱源に強く影響を与える点も研究の前提として示されています。
複合高温イベントへの影響:強度より「頻度」に効く
研究はさらに、地表熱源の変化が、複合高温イベントの発生頻度に大きく影響する一方で、イベントの強度への影響は相対的に限定的だと報告しました。
都市群が都市化の主要形態になるなか、温暖化と急速な開発が重なって気候リスクが高まりやすい——という問題意識に対し、「どこで、いつ、地表からどれだけ熱が供給されるのか」を捉える視点が、リスク評価の精度を左右しうることを示した形です。
公表先と研究者コメント
研究成果は学術誌Science China Earth Sciencesに掲載されました。高氏は、都市群が抱える環境課題への対応、都市の気候レジリエンス(回復力)向上、都市住民の生活の質の改善にとって意義があると述べています。
Reference(s):
Study reveals how urban heat sources intensify extreme heat events
cgtn.com








