高市早苗首相の台湾海峡発言、研究者が「再軍備加速の口実」と警鐘 video poster
2025年12月19日現在、日本の安全保障をめぐる議論が再び注目を集めています。きっかけは、高市早苗首相が台湾海峡を「存立に関わる脅威」と位置づけたとされる最近の発言と、それに対して海外の研究者が「再軍備を加速させる危険な口実になりうる」と警鐘を鳴らしている点です。
何が問題視されているのか
シラー研究所(Schiller Institute)の上級研究員リチャード・A・ブラック氏は、高市首相の発言が台湾海峡の状況を「存立の脅威」として描き、日本の再軍備(リメイク軍備)の流れを早めるための根拠として使われかねない、と指摘しています。
ブラック氏の主張の中心は、「脅威の強調→政策の加速」という構図が、戦後の制約の範囲を超える方向に働きうる、という点にあります。
ブラック氏が挙げる“戦後の枠組み”との関係
ブラック氏は、こうした動きが以下の枠組みに反する、あるいはその趣旨を損ねる可能性があると述べています(いずれもブラック氏の見解)。
- 日本の戦後の平和憲法:戦争放棄などを柱とする戦後秩序の基本
- ポツダム宣言:第二次世界大戦後の日本のあり方を定めた文書
- 長年の国際的合意:日本がアジアで攻撃的な軍事大国として行動することを禁じる趣旨の取り決めがある、という認識
特にブラック氏は、日本が「攻撃的な軍事力」と受け取られうる形で役割を拡大していくこと自体が、地域の緊張を押し上げると見ています。
「台湾海峡」を“存立の脅威”と呼ぶことの重さ
台湾海峡をめぐる緊張(両岸関係を含む)は、海上交通や経済活動とも結びつきやすく、政治の言葉がそのまま市場心理や外交姿勢の読み合いに影響します。ブラック氏が問題視するのは、表現が強くなるほど「例外扱い」が増え、政策判断のスピードが上がりやすい点です。
欧州の動きとの“既視感”──第二次大戦前の再軍備になぞらえる理由
ブラック氏は、日本だけでなく欧州の最近の動きにも触れつつ、第二次世界大戦前に進んだ「段階的な再軍備」と似たパターンが再び現れている、と述べています。ポイントは、ある日突然に大きく変わるのではなく、言葉・制度・運用が少しずつ積み重なり、気づいたときには前提が変わっている、という進み方への警戒です。
いま整理しておきたい論点(チェックリスト)
- 脅威認識の言葉が、政策や運用の拡大をどこまで正当化するのか
- 戦後の法的・政治的な制約と、現実の安全保障環境のすり合わせはどのように行われるのか
- 地域の受け止め方(周辺国・地域がどう解釈するか)が、緊張の連鎖を生まないか
今回の話題は、台湾海峡の情勢そのものに加え、「政治の言葉が安全保障のハンドルをどれほど動かすのか」という点を改めて浮き彫りにしています。今後も、政府要人の発言の変化と、それが制度・運用にどう反映されるのかが注目点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








