米国の関税でボードゲームが値上がり?中国本土製造に依存する業界の現在地 video poster
米国が中国本土からの輸入品にかける関税が、意外にもテーブルトップ(ボードゲームなど)の価格や供給に波及しています。年末の買い物シーズンを迎える2025年12月現在、趣味の世界にも「貿易政策の余波」が見え始めています。
この動きを伝えたのは、Poppie Mphuthing氏です。
なぜボードゲームが関税の影響を受けるのか
テーブルトップゲームは、紙のカードやボードだけでなく、コマ、ダイス、ミニチュア、専用トレイなど複数素材の部品で成り立ちます。製造工程が細かく、量産のノウハウや設備が必要なため、製造を中国本土に頼る商品が少なくありません。
その結果、米国の関税は「完成品」だけでなく、ゲームを構成する周辺アイテムや部材にもコスト圧力として作用しやすくなります。
起きていること:価格だけでなく“中身”や“届く時期”にも
関税による影響は、単純な値上げにとどまりません。業界では次のような変化が起きやすくなります。
- 小売価格の上昇:メーカーや流通が負担しきれない分が、最終価格に反映されやすい
- 内容物の見直し:コマの材質変更、豪華な付属品の削減、梱包仕様の簡素化など
- 発売・再販の遅れ:コスト再計算や生産地の調整で、スケジュールが揺れやすい
- 小規模スタジオほど打撃:利益の厚みが薄く、吸収できる余地が小さい
メーカーはどう動く?「生産地の分散」は簡単ではない
関税をきっかけに「生産を別の国・地域に移す」選択肢が注目されがちですが、テーブルトップゲームは部品点数が多く、品質の均一化も重要です。印刷、成形、検品、梱包までを一貫して回せる体制を別の拠点で整えるには、時間も調整コストもかかります。
そのため短期的には、値上げ・仕様変更・出荷調整といった現実的な手段の組み合わせで乗り切ろうとする動きが出やすくなります。
プレイヤーと店に何が起きるか:選び方が少し変わる
趣味としてのボードゲームは「欲しいときに買う」だけでなく、「友人との予定に合わせて入手する」側面もあります。供給が読みにくくなると、遊ぶ側・売る側の行動も変わります。
- 予約や再販待ちが増え、購入タイミングが前倒しになりやすい
- 輸入品中心の棚づくりが難しくなり、取り扱いのメリハリが強まる
- 中古市場・レンタル・プレイスペースなど、所有以外の楽しみ方が相対的に目立つ
今後の注目点:関税の“継続”が前提になると
2025年末時点で注目されるのは、関税が一時的なコスト要因にとどまらず、長めの前提条件として業界に織り込まれていくかどうかです。そうなれば、価格だけでなく「作り方」「売り方」「届け方」まで含めた設計が変わっていく可能性があります。
趣味の世界は小さく見えて、サプライチェーン(供給網)の現実とつながっています。店頭の値札や発売日の変更が、国際経済の動きと同じ地平にある——そのことを静かに実感させるニュースと言えそうです。
Reference(s):
How U.S. tariffs could be crushing your favorite board games
cgtn.com








