ノルウェー養殖専門家が海南へ——8,000km越えの「熱帯養殖」挑戦 video poster
2025年12月、国際ニュースの現場では「人がどこへ動き、何を学び直すのか」が静かに注目されています。ノルウェーの養殖専門家ハリー・ボートヴィク氏は、その問いに8,000キロメートルを越える移動で答えました。舞台は中国本土の海南。温暖な気候に心をつかまれ、熱帯魚の繁殖という独特の難しさに挑む道を選んだといいます。
8,000kmの距離が映すもの:技術は「土地」で書き換わる
ボートヴィク氏は、養殖の知見を携えて海南の漁業の現場へ。移動の大きさは、単なる転職や赴任というより「環境そのものが違う場所で、技術の前提を組み替える」挑戦を象徴します。
寒冷な海域で培われた経験が、そのまま熱帯の水温・季節・生き物のリズムに当てはまるとは限りません。だからこそ、現場では“既存の正解を持ち込む”より、“新しい正解を現地と一緒につくる”姿勢が問われます。
熱帯魚の繁殖は何が「ユニーク」なのか
本人が強く惹かれたというのが、熱帯魚の繁殖(種魚から稚魚を得て育てる一連の工程)という難題です。ここでの「難しさ」は、特定の技術の有無だけでなく、日々の微調整の積み重ねにあります。
- 環境条件の幅:温度や水質などが少し変わるだけでも、生き物の反応が変わりやすい
- 繁殖の再現性:同じ手順でも結果が揺れやすく、安定運用まで時間がかかる
- 地域性:現場の気候・水・設備・人の技術に合わせ、やり方を組み替える必要がある
こうした要素が重なるほど、養殖は「理論」だけでなく「観察」と「対話」が中心になります。
海南での挑戦:「新しい道を切り開く」という言葉の現実味
ボートヴィク氏は現在、熱帯の気候に魅了されつつ、熱帯魚の繁殖という課題にコミットし、新しい道を切り開く意志を示しています。ここで重要なのは、革新が派手な発表で起きるとは限らない点です。
むしろ、日々の飼育管理を整え、試行錯誤を重ね、現地の知見と外部の経験を噛み合わせる。その地道な更新が、結果として「新しい道」になります。本人が「この活気ある島とともに成長したい」と語る姿勢は、技術移転を一方向ではなく相互学習として捉えるヒントにもなりそうです。
いま読まれる理由:食と環境の交点で、養殖は“現場型”になっている
養殖は、食の安定供給や資源管理と結びついて語られることが多い分野です。ただ、現場で起きているのは大きなスローガンよりも、気候や生態に向き合い続ける実務の積み上げです。
遠い地域から専門家が移り、別の気候帯で学び直す。そこには、グローバル化の派手さよりも、「違いを前提に組み立て直す」という静かな現実があります。
今後の焦点:成果より先に見たい3つのプロセス
2025年12月時点で見えているのは、挑戦の方向性です。結果が出るまでの間、注目点は次のような“プロセス”になりそうです。
- 現場適応:熱帯の条件に合わせた飼育の安定化
- 再現性の確立:繁殖工程のブレを減らす試行錯誤
- チームでの学習:知見を共有し、現地とともに運用力を高める
8,000キロの距離は、地図の上では一本の線です。でも養殖の現場では、その線の先で“別のルール”が始まります。ボートヴィク氏の挑戦は、技術が土地とともに育つ瞬間を映すストーリーとして、これからも静かに追いかける価値がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








