冬至前後の北京・十七孔橋 夕日が17のアーチを染める「光のマジック」 video poster
冬至前後のいま、北京の頤和園(Summer Palace)では、夕日が昆明湖に架かる十七孔橋のアーチを次々と照らしていく幻想的な光景が現れます。この季節だけに見られるとされる「光と影のマジックショー」は、訪れた人の目を自然と空と水面へと向けさせます。
この記事では、この現象が起きる仕組みと、夕暮れから日没まで約2〜3時間にわたって変化していく光の表情を、やさしい言葉で整理します。
夕日がつくる十七孔橋の「光のマジックショー」
舞台となるのは、中国本土・北京の頤和園にある十七孔橋です。昆明湖に架かったこの橋には、名前のとおり複数のアーチが並んでいます。冬至の頃、夕日が傾きはじめると、湖面に近い位置から差し込む光が、橋のアーチを一つひとつくぐり抜けていきます。
やがて太陽の位置がちょうど重なるタイミングになると、十七のアーチすべてが、オレンジや赤の光に包まれるように輝きます。アーチの下には、水面に映った光も重なり、橋全体が淡いグラデーションのベールをまとったように見えるといいます。
最初のかすかな金色の光がアーチの一部をかすめてから、橋全体がオレンジと赤の光に満たされるまで、およそ2〜3時間。このあいだに、光は刻々と角度と色を変えながら、橋と湖の表情を塗り替えていきます。
なぜ冬至の頃だけ? 光と影の仕組み
この「マジックショー」は、特殊な照明装置ではなく、太陽と橋と湖の位置関係だけで生まれます。ポイントになるのは、次の三つです。
- 太陽の高度(地平線からどれくらいの高さに見えるか)
- 太陽の方位(東西南北のどの方向に沈んでいくか)
- 橋の向きと、昆明湖の水面で起きる反射
冬至前後の夕方には、太陽の高度と方位が、十七孔橋の向きとちょうどかみ合う角度になります。そこに昆明湖の水面で反射した光も加わることで、アーチの内側まで光が届きやすくなり、橋の17の穴が順番に、そして最後には同時に照らされるのです。
物理の視点で見ればごくシンプルな現象ですが、実際に目にすると、建築と自然が長い時間をかけて「約束」したかのような、静かな感動をもたらします。
夕暮れから日没までの2〜3時間をどう楽しむか
夕暮れの十七孔橋では、光の変化そのものが見どころになります。時間の経過とともに、アーチに差し込む光の角度と色合いが少しずつ変わり、同じ橋とは思えないほど印象が移り変わっていきます。
- 序盤:アーチの一部に金色の光が差し込み始める時間帯
- 中盤:複数のアーチに光の帯が伸び、橋の表情が次第に変化していく時間帯
- クライマックス:オレンジと赤の光がアーチ全体を包み込む瞬間
現地の夕暮れは、光の変化をゆっくり味わう時間でもあります。立ち位置を少し変えるだけで、アーチの並び方と光の通り方が微妙に変わり、写真や動画に収める構図も変化します。スマートフォン越しだけでなく、肉眼で光の流れを追ってみたくなる場面です。
やがて太陽が地平線の向こうに沈み、アーチを満たしていた光がすっと消えると、十七孔橋はふだんの静かな姿に戻ります。2〜3時間に凝縮されたこの変化の速さが、「今この瞬間だけ」の特別感を強めているともいえます。
季節のリズムを映す都市の風景
都市に暮らしていると、季節の移り変わりを意識する機会は少なくなりがちです。それだけに、頤和園の十七孔橋のように、太陽の動きと建築が重なって生まれる光景は、自然のリズムを思い出させてくれる場面でもあります。
日本でも、特定の日に太陽や月が山や建物と重なる瞬間を狙って撮影する人たちがいます。北京の十七孔橋で起きるこの冬至前後の現象も、そうした「一瞬を待つ」視点で眺めてみると、国や地域を超えて共有できる楽しみ方が見えてきます。
夕日が橋の17のアーチをすべて照らし出すまでの2〜3時間。冬至前後の頤和園では、太陽の軌道という普遍的なルールの上に、昆明湖と十七孔橋という風景が重なり合い、静かで印象的なショーが繰り広げられます。
Reference(s):
Sunset magic at Beijing's Seventeen-Arch Bridge around winter solstice
cgtn.com








