中国本土初「全編AI生成」長編アニメが試写 制作期間は1年に圧縮 video poster
中国本土で、全編を人工知能による生成コンテンツ(AIGC)で制作した初の長編アニメ映画とされる『The Reunion Journey(再会の旅)』が、北京でテスト上映されました。通常3〜5年かかるとされる制作を、わずか1年に短縮した点が大きな注目を集めています。
北京でテスト上映:主役はパンダのきょうだい
テスト上映が行われたのは、2025年12月20日(土)。作品の中心にいるのは、パンダのきょうだい「トゥアンザイ(Tuan Zai)」と「ユエンニウ(Yuan Niu)」です。
物語は「再会」と「文化的な絆」をテーマに据えているとされ、家族やつながりといった普遍的なモチーフを、アニメ表現でどう描くのかが焦点になりそうです。
AIGCで何が変わった?「3〜5年→1年」短縮の意味
今回の話題の核は、制作手法そのものです。映画はAIGC(AIが文章・画像・映像などを生成する技術)を全面的に用い、一般的には3〜5年規模になりがちな長編アニメ制作を1年に圧縮したとされています。
時間が短くなることは、単に「早い」だけではありません。制作現場の意思決定や試行錯誤の回し方が変わり、作品づくりのリズムそのものが組み替わる可能性があります。
短縮がもたらす可能性(見えやすいポイント)
- 試作→修正の回転が早くなる(アイデア検証が速い)
- 少人数でも形にしやすくなる(制作体制の選択肢が増える)
- 表現の幅が広がる一方、統一感の設計がより重要になる
「全編AI生成」だからこそ残る論点:品質・権利・クレジット
テスト上映という形が示すのは、作品が世に出る直前段階でも観客の反応を取り込み、整える余地があるということです。AIGCの活用が広がるほど、次のような観点も同時に問われやすくなります。
- 品質管理:画づくりや動きの一貫性をどう担保するか
- 著作権・利用許諾:制作プロセスでの素材・学習・生成物の扱い
- 制作への貢献の可視化:人の役割(演出・脚本・編集など)をどう示すか
「AIが作った」こと自体がゴールになるというより、どの工程をAIに任せ、どこを人が責任を持って仕上げるのかという設計が、作品評価に直結していきそうです。
次に注目したいこと:一般公開の動きと、制作現場の新しい標準
現時点ではテスト上映の段階であり、今後、一般公開の時期や展開方法がどう示されるかが注目点になります。同時に、今回の事例が「例外的な挑戦」で終わるのか、それとも長編アニメ制作の新しい標準(スタンダード)の一部になっていくのか――業界全体にとっても静かな分岐点になりそうです。
再会と絆というテーマが、AIGCという新しい制作方法と重なったとき、観客は何を「人の物語」として受け取るのか。テクノロジーのニュースであると同時に、文化のニュースとしても追いかける価値がありそうです。
Reference(s):
China's first fully AI-generated animated film hits the big screen
cgtn.com








