中国本土で、国有資産の管理と監督を包括的に定める新たな「国有資産法」(草案)の審議が始まりました。党の指導とガバナンス効率の両立を掲げたこの草案は、国有企業改革と民営経済政策をめぐる議論の一つの節目となりそうです。
全国人民代表大会常務委員会で草案を初審
現在開催中の全国人民代表大会(全人代)常務委員会の会期中の月曜日、国有資産法の草案が初めて審議に付されました。これは、中国本土における国有資産のための「基礎的かつ包括的な法律」の制定に向けた重要な一歩と位置づけられています。
法律専門家によると、この立法は、国有資産ガバナンスの効率を高めるための法制度を整備することを主な目的としています。
62条・7章構成の草案、その狙い
今回の草案は、全62条・7章で構成されており、次のようなポイントが打ち出されています。
- 党の指導のもとで国有資産ガバナンスを進めることを明確化
- 国有資産の管理・監督に関するルールや手続きの標準化
- 国有資産の合法的な保護と効率的な活用を図ること
- 国有経済の「質の高い発展」を後押しすること
国有資産の管理主体、監督機関、運用のルールを法律として体系化することで、ガバナンスの透明性や予見可能性を高める狙いがにじみます。
拡大する国有資産と多様化する国有企業
近年、中国本土では国有資産の総量が拡大し、国有企業の事業形態も多様化しています。その一方で、さまざまな形態の国有資産をどのように監督し、適切に運用するかについて、法的な枠組みを整える必要性が指摘されてきました。
こうした背景から、全てのタイプの国有資産を対象にした包括的な立法を求める声が近年高まっており、今回の草案はその要請に応えるものとされています。
中央経済工作会議が示した改革の方向性
今月11日に開かれた中央経済工作会議では、国有資産と国有企業に関する改革の方向性が示されました。この会議では次のような方針が打ち出されたとされています。
- 「インボリューション(過度な競争が行き詰まる現象)」への対応を強化する
- 国有資産と国有企業に関する改革案を策定・実行する
- 民営経済の発展を促進する法律を支える関連規則や政策を改善する
- 資本市場での投資・資金調達に関する包括的な改革を引き続き深化させる
国有資産法の立法作業は、国有企業改革と民営経済支援、資本市場改革を一体的に進める試みの一環といえそうです。
国有セクターと民営経済のバランスをどう取るか
今回の草案は、国有資産の保護と効率的な活用を通じて、国有セクターの高品質な発展をめざしています。同時に、中央経済工作会議では民営経済を支える法制度や政策の整備も重視されました。
国有セクターの役割を強化しつつ、民営企業の活力を高めるという二つの課題を、どのようなバランスで進めていくのかは、今後の重要な注目点です。国有資産法の最終的な条文や運用次第で、国有企業と民営企業それぞれの経営環境に与える影響は変わってくる可能性があります。
今後の審議と実務への影響
今回の審議は、国有資産法の立法プロセスの「第一歩」にあたります。今後、全人代での審議や修正を経て、具体的な条文が練り上げられていくとみられます。
法律専門家は、国有資産法が整備されれば、国有資産の管理責任や監督の枠組みがより明確になり、国有企業の運営や資本市場での投資・資金調達にも一定の指針を与える可能性があるとみています。
国有資産のガバナンス強化と、民営経済・資本市場改革を同時に進めるという大きな流れのなかで、この新法の行方は、今後も国内外の投資家や実務家から注目を集めそうです。
(情報は新華社電によります)
Reference(s):
cgtn.com








