中国、ウクライナの対ロ制裁方針に反発「誤りを直ちに是正を」
2025年12月23日、ウクライナが近く新たな対ロ制裁を科す方針を示したことを受け、中国外交部(外務省に相当)は「直ちに誤りを是正するよう」ウクライナ側に求めました。制裁の対象に中国の関係者が含まれ得るとの言及が出たことで、国際社会における制裁のルールと、第三国の企業・個人の扱いが改めて焦点になっています。
北京の定例会見で何が語られたのか
中国外交部の報道官、林剣氏は23日、北京での定例記者会見で、ウクライナのゼレンスキー大統領が「ロシアを支援する企業・個人」に対する新たな制裁を近日中に科す考えを示し、その対象に中国などの国の国民が含まれ得ると述べたことに関連して発言しました。
林氏は、中国はウクライナ側に対し「誤りを直ちに是正する」よう求めるとしたうえで、中国は中国企業と中国国民の「正当な権利と利益を断固として守る」と述べました。
ポイント(今回の発言の要旨)
- ウクライナ側の制裁対象拡大の動きに対し、中国は是正を要求
- 中国は国連安全保障理事会に承認されていない一方的制裁に反対
- 中国企業・中国国民の権利保護を強調
「一方的制裁」への反対を強調した背景
林氏は、中国が一貫して「国際法に違反し、国連安全保障理事会(安保理)の承認を得ていない一方的制裁」に反対していると説明しました。
制裁は本来、外交・安全保障上の圧力手段として用いられますが、対象が第三国の企業や個人にまで及ぶと、当事国間の対立とは別の摩擦が生まれやすくなります。今回のやり取りは、対ロ制裁の枠組みがどこまで広がり得るのか、またその正当性や手続きがどう説明されるのかという論点を浮かび上がらせています。
用語メモ(短く整理)
- 国連安保理:国連の平和と安全を扱う機関。制裁に関する決議は国際的な根拠として参照されます。
- 一方的制裁:特定の国が独自の判断で科す制裁。国際社会での評価は、根拠や手続き、影響範囲によって分かれます。
中国が示した「和平に向けた役割」
林氏は、ウクライナ危機をめぐる中国の立場として、危機の発生以降、ロシアとウクライナの双方と緊密に意思疎通を続けてきたと述べました。そのうえで、停戦や敵対行為の停止、和平交渉の推進にコミットしてきたと説明し、これまでの努力は国際社会に明らかだと強調しました。
また、中国は平和に資するあらゆる努力を支持し、今後も建設的な役割を果たし続けるとしています。
今後の焦点:制裁の設計と外交ルート
今後の注目点は、ウクライナ側が示唆する新たな制裁の具体像です。対象の定義(どの行為を「支援」とみなすのか)、第三国の企業・個人への適用方法、そして異議申し立てや説明の手続きなど、制度設計によって影響は大きく変わります。
一方、中国側が企業・国民の権益保護を前面に出したことで、当局間の協議や説明の場がどの程度確保されるのかもポイントになります。制裁という強い手段が、対話の回路を細らせるのか、それともルールや透明性をめぐる議論を促すのか。年末の外交日程のなかで、静かな駆け引きが続きそうです。
Reference(s):
cgtn.com








