海南自由貿易港、特別税関運用を本格化―中国の「高水準の開放」への玄関口に
中国の海南自由貿易港(FTP)が、島全体を対象にした「特別税関運用」を最近開始し、「中国の高水準の対外開放の重要な玄関口になる」と、中国外務省報道官の林剣氏が2025年12月23日の定例会見で述べました。保護主義への警戒が強まる中で、制度面と実績データの両方を示しながら「開放を具体策で進める」姿勢を前面に出した形です。
何が起きた?――海南で「島全体」の特別税関運用が始動
会見では、海南で進む「島全体での特別税関運用」の開始が話題となりました。税関制度を含む通商ルールを、より自由貿易に適した形へ運用する枠組みとして位置づけられ、林氏は「改革開放の歩みに深い足跡を残してきた」と海南の役割を強調しました。
外務省が示したメッセージ――不確実性の中でも「開放」を具体策で
林氏は、世界経済の不確実性が増す中での中国の対応として、次のような方向性を示しました。
- 「開放の約束を具体的行動で実行する」
- 「保護主義に対して確固たる決意で向き合う」
- 「開かれた世界経済を促進する」
言葉だけでなく、制度変更や数値を挙げて説明した点が特徴です。
具体策の中身:投資規制の見直しと、LDC向けの“ゼロ関税”
製造業分野の「ネガティブリスト」障壁の撤廃
林氏は、対外投資管理の枠組みである「ネガティブリスト(禁止・制限する分野の一覧)」に関連し、製造業分野の参入障壁を撤廃したと述べました。これは「制限の列挙以外は原則自由」という考え方を強める政策の一つとして語られています。
外交関係を持つ後発開発途上国(LDC)へのゼロ関税
また、中国と外交関係を持つすべての後発開発途上国(LDC)に対し、関税分類上の“100%の品目ライン”でゼロ関税待遇を付与したとも説明しました。林氏は、これを「より多くのウィンウィン協力」につなげる方針として位置づけています。
数字で見る「開放」の現在地(2025年1〜11月)
会見では、2025年の実績として以下の数字が示されました。
- 新設の外資投資企業:6万社超(前年同期比17%増)
- 物品貿易総額:41兆元超(前年同期比3.6%増)
林氏は、開放は「来年(2026年)も主要な課題」であり、さらに開放を広げ、発展の機会を生み、世界の共通繁栄に向けた新たな原動力を注ぐ考えを改めて示しました。
なぜ今「海南」なのか――通商ルールの“実験場”としての意味
海南自由貿易港は、関税や物流、投資制度など「境界(ボーダー)」の設計が経済活動を左右する領域で、政策をパッケージとして動かしやすい場所でもあります。島全体の特別税関運用が定着すれば、企業側はサプライチェーン(供給網)や拠点配置の検討において、海南を新たな選択肢として織り込みやすくなります。
一方で、世界では保護主義的な政策や規制の強化が各地で議論され、企業は「どの市場に、どの制度でアクセスするか」をより慎重に見極める局面にあります。今回の発言は、そうした空気の中で、制度の方向性と実績データをセットで示し、予見可能性を打ち出す狙いがにじみます。
Reference(s):
Hainan to become the gateway of China's high-standard opening up
cgtn.com








