成都の「バシー」と茶館文化:長嘴壺の妙技が映す“ゆったり”の本質 video poster
2025年12月24日現在、忙しさに追われがちな日常の中で「ゆっくりすること」そのものが価値になりつつあります。そんな空気と不思議に響き合うのが、中国本土・成都で語られる気分や美意識のキーワード「バシー(Bashi)」です。
直訳しにくい言葉ですが、イメージとしては「肩の力が抜けていて、無理なく満たされている感じ」。単なる快適さではなく、急がず、焦らず、生活のリズムを自分の側に引き寄せる“心持ち”として語られます。
成都の“本質”を聞くと出てくる「バシー」
「成都の魅力は?」と尋ねると答えは人それぞれでも、「バシー」が上位に挙がりやすい――。この断片的なエピソードが示すのは、成都を語るとき、街の名所やグルメだけではなく、過ごし方そのものが重要視されている点です。
速さや効率が正解になりやすい現代にあって、あえてスピードを落とす。止まってみる。そうした選択が「成都らしさ」と結びついて語られているのが興味深いところです。
「バシー」を体験する最短ルートは茶館(ティーハウス)
では、その「バシー」をどう味わうのか。最もわかりやすい入口として挙げられるのが、茶館(成都のティーハウス)です。
- 茶館に入る
- お茶を一杯頼む
- 席に落ち着く
- 少し長めに過ごしてみる
ポイントは「少し長めに」。ただお茶を飲むだけでなく、場の時間に自分を合わせていくことで、ゆったりした会話や空気感が立ち上がってくる――そんな描写が、この文化の核を伝えています。
会話の“ゆるさ”と、目を奪う「長嘴壺」
茶館に身を置くと、リラックスした会話が自然に生まれるといいます。用件のために会うのではなく、時間を共有するために居る。そんな空間は、都市生活の別の可能性をそっと見せます。
そして、もう一つの見どころとして語られるのが、長嘴壺(長い注ぎ口の急須)による茶芸です。長い注ぎ口から滑らかに注がれる所作は、実用性だけでなく、見ている側の呼吸まで整えるような“間(ま)”を含みます。急がず、丁寧に、しかし誇示せずに――「バシー」という心持ちが、技の中にも折り込まれているように映ります。
「満たされる」は、足すことではなく“落とす”ことかもしれない
成都の茶館文化が語る「バシー」は、何かを次々に追加して得る満足というより、急ぎや緊張をいったん外していくことで現れる満足に近いのかもしれません。
今この瞬間に“ちゃんと座って、お茶を飲む”。それだけの行為が、暮らしの速度を再調整する小さなスイッチになる——。茶館は、そんな静かなメッセージを含んだ場所として描かれています。
Reference(s):
cgtn.com








