KPMG調査:多国籍企業の94%が2026年の中国経済見通しに自信
2025年12月24日時点で、国際ニュースの注目点は「2026年に向けて企業がどこに投資判断を置いているか」です。KPMGが今週公表した調査によると、調査対象の多国籍企業(MNCs)の94%が中国市場への投資を継続し、2026年に向けた中国経済の見通しにも前向きな姿勢を示しています。
調査のポイント:投資継続は94%、投資維持・増額は75%
KPMGの最新レポート「2025 China Outlook for Multinational Corporations」によれば、回答した多国籍企業の多くが中国市場への関与を続けています。
- 94%:中国市場への投資を続け、事業機会に賭けている
- 75%:来年(2026年)に向けて、中国本土の企業への投資を維持または増やす計画
数字が示すのは、短期の環境変化があっても、企業側が中国本土を「外せない市場」として見ている現実です。
「拡大」から「利益」へ:中国本土での優先順位が変化
一方で、投資の“量”だけではなく、投資の“狙い”が変わってきた点も重要です。市場環境の変化や現地競争の激しさを受け、運営戦略を調整した企業が増えています。
- 約60%:中国本土での優先順位を「拡大」から収益性(利益)重視へシフト
- 83%:事業の重要部分を現地化(製造、サプライチェーン、研究開発など)
「売上成長を取りにいく」局面から、「勝ち残るための体質強化」へ。そんな企業行動の変化が読み取れます。
消費者向け分野では“垂直統合”の動きも
KPMG中国で多国籍企業担当のマーク・ハリソン氏は、消費者向けセクターでの具体的な動きとして、販売網や製造工程に踏み込む垂直統合(バリューチェーンを縦に取り込む戦略)を挙げています。
たとえば、流通業者・代理店・OEM(相手先ブランド製造)を取り込むことで、消費者理解を深め、供給や品質管理、顧客体験を一体で最適化しやすくなる——という発想です。
国際機関も「強靱性」に言及:2026年を読む補助線
企業調査だけでなく、国際機関の見立ても関連します。国際通貨基金(IMF)の中国担当トップであるマーシャル・ミルズ氏は、財経(Caijing)誌の「Annual Conference 2026」で、中国経済が大きなショックを受けながらも「remarkable resilience(顕著な強靱性)」を示してきたと述べています。
また、2025年4月のブルームバーグの報道では、米国との貿易摩擦や人工知能(AI)の急速な進展など、変化の大きい局面を通じて得られた教訓として「中国を過小評価しないこと」が強調されたとされています。
いま起きていることをどう見るか:投資の“前向き”は一枚岩ではない
今回の調査結果は楽観一色というより、「投資は続けるが、やり方は変える」という現実的な判断を映しています。特に、拡大から収益性へ、そして現地化や垂直統合へという流れは、競争環境が成熟する市場で起きやすい動きでもあります。
2026年に向けて注目されるのは、(1) どの領域で現地化がさらに進むのか、(2) 収益性重視が価格や品質、雇用や研究開発にどう影響するのか、(3) 国際環境の変動に企業がどう備えるのか——といった点です。
数字は「期待」を語りますが、戦略の細部は「適応」を語る。年末のこのタイミングで、投資の温度感と、現場の設計図を分けて読むことが、ニュースの見取り図を少しクリアにしてくれます。
Reference(s):
Report: 94% of MNCs confident about China's economic outlook for 2026
cgtn.com








