CMGが発表「2025年の中国本土・科学技術ニュース10選」AIから宇宙まで
2025年12月24日現在、今年の科学技術を振り返る動きが各地で広がっています。中国メディアグループ(CMG)は「2025年の中国本土・国内外の科学技術ニュース10選」を公表し、AI、宇宙、量子、核融合、ロボットまで、今年の研究開発の焦点が一望できる内容となりました。
CMG「2025年 科学技術ニュース10選」とは
CMGがまとめた10項目は、政策(イノベーション拠点整備、AI活用方針)から、宇宙探査(探査機打ち上げ、有人・無人運用)、基礎科学(ニュートリノ観測)、最先端計算(量子・AIモデル)、そして実装(ロボット競技の盛り上がり)まで幅広く並びます。研究の“成果”と“社会実装の加速”が同時に語られている点が、2025年らしさと言えそうです。
注目ポイント(スマホで押さえる要点)
- 国家的プロジェクトの“地図”が明確に:北京(北京・天津・河北エリア)、上海(長江デルタ)、広東・香港・マカオ・グレーターベイエリアで世界級の科学技術イノベーション中心を構築
- AIは「AI Plus」で全領域へ:モデル、データ、計算資源など基盤整備と、産業・消費などへの統合を同時に進める設計
- 宇宙・量子・核融合が“記録”を伴って前進:探査、計算優位、プラズマ維持など、象徴的な節目が並ぶ
- ロボットは競技が社会のショーケースに:ハード、アルゴリズム、データの進化がイベントを通じて可視化
2025年の「科学技術ニュース10選」一覧(CMG)
1)世界級イノベーション中心を3地域で構築
中央経済工作会議が、国際的な科学技術イノベーション中心の構築を主要課題として提示。北京(北京・天津・河北エリア)、上海(長江デルタ)、広東・香港・マカオ・グレーターベイエリアでの整備が挙げられました。
2)国務院が「AI Plus」方針を提示
国務院が「AI Plus」イニシアチブ実施に関する指針を発出。AI Plusの科学技術、産業発展、消費高度化など6つの重点領域での行動を示し、モデル・データ・知能計算力(計算資源)などを含む8つの基盤支援体制の強化を求めました。AIの経済・社会への広範かつ深い統合を後押しする位置づけです。
3)5月29日「天問2号」打ち上げ、小惑星サンプルリターンへ
5月29日、天問2号探査機が長征3Bロケットで四川省の西昌衛星発射センターから打ち上げられました。中国本土にとって初の小惑星探査・サンプルリターンの試みで、太陽系の「宇宙の化石」の研究と惑星間科学の前進を目指すとされています。
4)EASTが1億度超の高閉じ込めプラズマを1,066秒維持
実験先進超伝導トカマク(EAST)が、1億度を超える高閉じ込めプラズマの継続運転を1,066秒達成。制御核融合に向けた進展として、新たなベンチマークになったとされます。
5)中国のAIモデル「DeepSeek」が世界的な注目
AI基盤モデル開発における大きな進展として、DeepSeekが国際的に注目を集めたと紹介されています。低コストでオープンウェイト(学習済み重みを公開する形)というアプローチが、AI活用の裾野拡大に寄与したという評価です。
6)超伝導量子計算機「祖沖之3.0」が計算優位で新記録
超伝導量子コンピューター試作機「祖沖之3.0」が、超伝導システムにおける量子計算優位で新記録を打ち立てたとされます。量子ランダム回路サンプリングの処理で、世界最強クラスのスーパーコンピューターより桁違いに高速で、2024年10月にNatureに掲載されたGoogleの最新結果よりも大幅に速いと説明されています。
7)電磁カタパルト搭載の空母「福建」が就役
中国初の電磁カタパルト方式の空母「福建」が就役。11月5日、海南省で就役・授旗の式典が行われ、電磁カタパルトを備えた空母の就役が節目として報じられました。
8)「神舟22号」緊急ミッションで無人・迅速ドッキングを実施
神舟22号は、打ち上げからドッキングまでのエンドツーエンドの無人運用と迅速ドッキングを特徴とする緊急ミッションを実施。宇宙ステーション複合体運用における高い自律性と、打ち上げ・制御システムの信頼性を示したとされています。
9)JUNO(江門地下ニュートリノ観測所)が正式運用開始
JUNOが正式に運用入り。超高精度のニュートリノ研究に特化した世界初の稼働中・超大型科学施設とされ、今後10年の素粒子物理学の主要課題の一つである「ニュートリノ質量の並び(質量階層)」に挑むとされています。太陽、超新星、大気、地球起源のニュートリノ研究にも道を開く計画です。
10)ロボット競技が活況、エンボディドAI(身体性を持つ知能)が加速
2025年は、世界初のヒューマノイドロボット・ハーフマラソンやCMGワールドロボット技能競技会など複数のイベントが注目を集めたとされます。ヒューマノイドロボットに必要なハードウェア、アルゴリズム、データの進歩が、競技という形で“見える化”された一年だった、という整理です。
2025年の並びから見える「次の焦点」
10選を通して浮かぶのは、研究開発そのものの前進に加え、政策・基盤整備(計算資源やデータ)と社会実装(産業、消費、競技イベント)が同じ画面に並ぶ構図です。AIモデル、量子、核融合、宇宙、基礎科学という“長距離走”のテーマと、ロボットのような“体験としての技術”が同時に前に出てきたことが、2025年の空気感をよく表しています。
年末のこの時期、ニュースの見出しを追うだけでなく、「どの分野が基盤で、どの分野が社会へ降りてきているのか」を整理して読むと、来年以降の技術トレンドも捉えやすくなりそうです。
Reference(s):
CMG releases top 10 domestic, international sci-tech news of 2025
cgtn.com







