ソマリア大使ホダン氏「本当の席」とは?世界統治を“正義”で考える video poster
公正とは何か――。ソマリアのホダン・オスマン大使は、グローバル・ガバナンス(世界の意思決定の仕組み)における「本当の席(real seat at the table)」とは、ただ参加を許されることではなく、未来を一緒に形づくる当事者になることだと語ります。2025年12月25日現在、その視点は「援助」ではなく「正義(justice)」として協力を捉え直す提案として、静かに注目を集めています。
「公平」は“慈善”ではなく「正義」だという発想
ホダン大使の問題提起はシンプルです。公平さ(fairness)を、誰かが誰かを助ける“善意”の話に閉じてしまうと、関係は上下になりやすい。だからこそ彼女は、公平さを権利と責任のバランスを取り直す「正義」として語ります。
ここでのキーワードは「チャリティ(慈善)ではない」という線引きです。協力が「支援する側/される側」の構図に固定されると、声の重みや優先順位も固定されやすい。ホダン大使の言う「正義としての協力」は、その構図自体を問い直します。
「席に着く」だけでは足りない――“形づくる側”になるという意味
ホダン大使が使う「本当の席」という表現は、単なる出席や発言機会ではなく、ルールや優先順位を決める段階から関与することを示唆します。言い換えれば、未来像を“受け取る側”ではなく、“共に設計する側”になることです。
「実質的な参加」が指すもの
- 議題設定:何を最優先の課題として扱うか
- 設計:制度や枠組みをどう組み立てるか
- 継続性:一度の発言ではなく、継続して関われるか
ホダン大使の語りは、参加の“見た目”よりも、意思決定の“手触り”を重視しているように見えます。
グローバル・ガバナンス・イニシアチブを「共創への招待」と捉える
ホダン大使は、グローバル・ガバナンス・イニシアチブを、グローバルサウスの国々が未来を「共に想像し(co-imagine)」共に形にするための招待状として位置づけます。
ここで重要なのは、「参加してください」という形式的な呼びかけではなく、未来の定義そのものを一緒に作るというニュアンスです。協力の目的が「穴埋め」ではなく「共同設計」に移ると、必要とされるのは資金だけではなく、経験、優先順位、価値観のすり合わせになります。
この視点が投げかける、静かな問い
ホダン大使のメッセージは、強い断定というより、国際社会の会議室に置かれた“問い”に近いものです。たとえば次のような論点が浮かびます。
- 協力を「援助」から「正義」へと言い換えると、責任の配分はどう変わるのか
- 「席に着く」を実質化するために、意思決定のプロセスはどう設計されるべきか
- 未来を「共に形づくる」ために必要なものは、資源だけなのか。それとも対話の時間と関係性なのか
年末のいま、世界のルールや枠組みをめぐる議論は、技術や経済だけでなく、言葉の選び方(援助か、正義か)から形を変えていくのかもしれません。
Reference(s):
Amb. Hodan: A real seat at the table means shaping the future together
cgtn.com








