中国本土の有人深海潜水船、累計1746回潜航 2025年は314回見込み
中国本土の有人深海潜水船3機が累計1,746回の潜航を達成し、2025年はこの年だけで314回の潜航を行う見通しです。深海研究の「回数」が増えるほど、観測データや技術検証の蓄積が進み、国際共同調査の土台にもなります。
今回の発表:3機で累計1746回、2025年は314回
中国科学院(CAS)傘下の深海科学工学研究所は、有人深海潜水船3機がこれまでに合計1,746回の潜航を行ったと発表しました。データは、中国本土南部・海南省三亜(Sanya)で開かれた会合で示され、2025年は計314回の潜航を実施する計画(見込み)だとしています。
3つの有人潜水船:それぞれの役割を分担
発表で言及されたのは、以下の3機です。
- 「奮闘者(Fendouzhe/Striver)」
- 「深海勇士(Shenhai Yongshi/Deep Sea Warrior)」
- 「蛟竜(Jiaolong)」
深海調査では、長期運用に耐える装備の信頼性、潜航ごとの環境条件(海域・水深・海象)への適応、チームの運用経験が成果を左右します。潜航回数は、そのまま「現場での検証回数」として読み取れます。
2025年のハイライト:北極海の有人科学遠征と国際共同調査
2025年、奮闘者は氷に厚く覆われた北極海で、中国本土として初の有人深海科学遠征を実施したとされています。氷海域は運用条件が厳しく、観測計画だけでなく安全確保や支援体制の設計が重要になります。
また奮闘者は、ニュージーランド南島の南西沖に位置するプイセギュール海溝(Puysegur Trench)での国際共同遠征も支援しました。深海研究では単独で完結しにくいテーマも多く、国際連携は調査範囲や知見の広がりに直結します。
「深海勇士」は南シナ海で深海考古学、無人機とも連携
深海勇士は2025年、南シナ海の北西大陸斜面で深海考古学の探査として18回の潜航を行い、無人潜水機(無人の潜水装置)と連携して、新たな深海考古学上の発見につながったとされています。
有人機は現場判断の柔軟さ、無人機は長時間・広範囲の探索など、それぞれの強みがあります。両者を組み合わせる運用は、深海での作業効率と成果の両面で注目されやすいポイントです。
潜航回数が増えると何が変わる?「技術」と「知の蓄積」
深海は高水圧・低温・暗闇という極限環境で、機器の耐久性や安全運用の積み上げが欠かせません。潜航回数の増加は、次のような面で影響します。
- 観測データの蓄積:海底地形、地質、深海生態系など、繰り返し観測で比較が可能になります。
- 運用ノウハウの熟成:トラブル予防、点検手順、支援船との連携などが洗練されます。
- 国際共同調査の基盤:共同遠征では、装備の信頼性と実績が協力の前提になりやすいです。
2025年末に近いこの時期に「今年の実施見込み」が示されたことは、年間計画を前提にした運用が定着していることもうかがわせます。
※本文は、深海科学工学研究所の発表として提供された断片情報に基づき構成しています。
Reference(s):
China's deep-sea manned submersibles have made over 1700 dives to date
cgtn.com








